しかし、チャンスは作らなければやって来ないものでして｡ ｰ 4 ページ16
体育祭も無事に終わった夕焼け時。
仲良しのあの子は少し恥ずかしそうに、「お昼一緒に食べられなくてごめんね」と笑っていた。
＿＿＿＿人気のない道。ここから先は私の家しか無いような、そんな裏道。
『Aさん…っ！』
ふと、名前を呼ばれる。知らない声、聞き覚えのない上擦った声だった。
振り向けば、そこには確か同じクラスの男の子。緊張しているのか暑いのか、顔を真っ赤にして私を見ている。
「……どうしたの？」
笑顔が引き攣った。別に祥彰に男子との接触を禁止されていない、けれども。刷り込まれているに近いのかもしれない。
他の男子が怖い。
『Aさん、のこと…ずっと前から好きでした！……良かったら、付き合ってくれないかな…？』
顔を赤くして、肩と声を震わせて、今にも逃げてしまいたいであろう脚。……嗚呼、私、今告白されてるんだ。
「………ごめんね」
だが答えは決まっている。誰かと付き合う気なんて、ましてやあまり知らない男の子。到底応えられない。
『……それってさ、山本が居るから？』
彼は顔だけを上げて、未だ赤みを残す顔でそう聞いた。山本……祥彰のことか。
「祥彰は関係ないけど……君のこと、あまり知らないし
『そ、そんなの…これから知っていけばいい！少しでいい、試しに付き合って、それでもダメなら諦めるから！』
「………ごめん、興味無いの」
『そ、んな………言い方しなくても……！俺、ほんとに君のこと好きで！1年の時からずっと！最近やっと山本が離れて、やっと、やっと言えたのに！！』
「気持ちは、嬉しいんだけど……ね？」
………怖い。嫌だという声が届いてないのだろうか。彼は彼で必死なのは分かるんだけど、私は興味無いし怖いし暑いし。
『……ねぇ、お願い、1回だけ』
彼はジリジリと私に近寄ってくる。
＿＿＿＿＿＿＿怖い。
怖い、怖い。近寄らないで、私は君とは付き合えない。彼はそんな声を無視して、微かに息を荒くして近寄るのを辞めない。
「ょ、しあ、き……」
彼は居ない。彼を突き放したのは私だから。
『ほら。やっぱり山本だ……ねぇ、なんで？どうすれば俺の事見てくれるの？』
ねぇ。
と、壁に追いやられ、すぐ近くに彼の顔がある。こわい、怖い怖い怖い。
「嫌っ………！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ジャリ。
誰かの足音。
場が、キンと冷えるような感覚。
「……………ねぇ、Aになにしてんの」
低い、けれども安心感のあるその声は。
神様、何処で間違えてしまったのでしょうか？ ｰ 5→←全ては彼女の為｡ ｰ 3
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
