ずっと変わらぬ愛情を持っておりました｡ ｰ 2 ページ14
side.you
生まれた時から、祥彰とは一緒だった。仕事で忙しい優秀な両親に変わり、私の面倒を見てくれたのは祥彰とその両親。
祥彰は私のことを守ってくれて、まるで兄のように隣に居てくれた。……私と祥彰だけ、二人だけの世界でずっと生きてきて。
＿＿＿＿これからも、ずっとそうだと思ってた。
そして少しばかりの息苦しさを感じ始めながら、私達は中学生になった。
『Aさんさ、なんで山本くんと仲良いの？』
発端は些細なこと。
祥彰は私が居るからと女子とは深い関わりを持たず、私は祥彰が居るからと男子と深く関わらなかった。けれども、祥彰はモテて。
私は恥ずかしいを言い訳にして、学校ではあまり話しかけないで欲しいと言っていた。
……それは嘘で、ほんの少し彼が鬱陶しかったからでもあって。
＿＿＿その頃から、祥彰は可笑しくなってしまった。
前々から予兆はあったけれど、それとは比べ物にならないくらい。
どこを行くにも、祥彰が隣に居るようになった。休み時間、登下校、エトセトラ、エトセトラ。それでも私は祥彰に嫌われた女子からいじめられ、泣いて、祥彰を恨んだ。
「………山本くんなんて、嫌い…っ！」
そう告げたのは、中学3年の夏休み前だったか。嫌に刺激してくる太陽光を背に、夏だと言うのに酷く青ざめた顔をしていたのを覚えている。
「………ぇ……な、んで……？…Aしか、僕には……それ、に、なんで、そんな呼び方……！」
声変わりで少し低くなった声も、ほんの少し私を追い越した背丈も。嫌い、嫌い、嫌い。
「……、もう、私に関わらないで」
呆然と立ち尽くす彼を置いて、私は帰路を走った。一人で帰ったのは、酷く久々で。
長い間二人だけの世界だった。それを壊してしまった罪悪感と、彼に抱くようになった僅かな恐怖心がドクドクと鼓動する。
彼は異常だった。
私は正常だった。
彼と居れば、また彼と二人だけの世界だ。そんなのは嫌だった。祥彰にも、私にも良くない。お互い広い世界を知るべきなのだ。
＿＿＿＿＿＿私は、良い意味でも悪い意味でも祥彰を理解出来ていなかったのに。
それに気付いたのは、夏休みが開けた体育祭の日だった。
全ては彼女の為｡ ｰ 3→←生まれた時から一緒だったのです｡ ｰ ymmt *
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
