プラスチック製の水曜日 - ymmt ページ1
「……あ。」
毎日乗る電車、歩く道、よく行く店。
それぞれの場所には��いつも居るあの人��ってのが居るわけで。
そして、特に大した言葉も交わしてないのにその人へ興味を持つもの。
ある意味一種の当たり前、居ないと少し驚く、けれどもそれだけ。
いつも居るあの人。
それは場所ごとによって異なる。
だからこそ。
いつもは駅のプラットフォームで見掛けるあの人。
を、水曜日、マンションのゴミ収集所で見つけた時なんてそれはもうびっくりなわけで。
いつもはキチンと着込んだスーツ、意志の強そうな眉や、ふわふわとセットされた髪とは違う。
「………ん？」
ゆったりとした服、眉だって自眉のみで、髪はストンと降りていて。
少し眠そうに欠伸を噛み殺した彼女は、僕の声に気付いてこちらを向いた。
彼女も、小さく目を見開く。
考えていることは、多分同じ。
「…おはよう、ございます？」
このゴミ収集所へ来るということは、同じマンションの住人だろう。
僕は、ご近所さんへの一番最も当たり障りのない対応をした。
にこやかに笑えば、彼女も小さく会釈をする。
「……おはようございます」
少し遠慮がちに、微かに笑い返してくれた。
いつもは斜め後ろから見ていた、自信たっぷりな顔とは違う。
そのちょっとした特別感に胸が踊って、スキップが出来そうなくらい軽い足で家に戻ったのだ。
それからと言うもの、朝のごみ収集の時に加えてプラットフォームでも会釈をする仲に。
夜でも帰宅時間が会えば挨拶をして、最近では少しづつ会話もするようになった。
彼女はAAさんと言うらしく、仕事帰りであろうと背筋の伸びた綺麗な人。
僕がちらりと話を出したQuizKnockも、最近見てくれているらしい。
会う度に話してくれる動画の感想や、ちょっとした雑談が、僕はたまらなく好きだった。
ふわりと揺れるくるくるの横髪、キチンと着こなしたスーツ、ピンと伸びた背筋。
ノーセットの少しふわふわの下ろした髪も、ラフなスウェットも、ゴミ袋を提げる華奢な片手も。
ゆっくりと、ゆっくりと。
僕は彼女に惹かれていった。
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See.(プロフ) - ゆゆさん» 初めまして、コメントありがとうございます。ゆっくり気ままにやってきますのでよろしくお願いしますー！ (2020年8月12日 9時) (
レス) id: 1d0369df29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はじめまして！こんばんは〜！See.さんの小説いつも楽しく読まさせていただいてます！まだ読みはじめたばかりですが、大好きなお話集なのでこれからも応援してます！頑張ってください！ (2020年8月11日 22時) (レス) id: 91c48177af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：See. | 作成日時：2020年7月30日 18時
