06.第一印象、『眠そう』 ページ7
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あくびしながら現れた、……なんだか眠そうな人。
朝早かったのかなー、そんな心配が思い浮かんだ。
一礼すると、相手も礼してくれるから悪い人ではないってことがわかる。
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「櫻井Aです、宜しくお願いします。」
智「大野智です。……よろしく。」
「ーーー……。」
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カズと似てる部分を探してしまうのは、カズのせいってことにしておくわ。
まず、猫背。
やる気のなさそうなところが本当にそっくり。
そして、一目見た時の私の心の弾みが。
気になるけど、気になるんだけど……。
……そんなところが、二宮和也に恋した時の私とすごく似てるって思ったんだ。
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翔「……じゃあ」
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訪れたのは何回も来たことのある、水族館。
鈴香さんが、水族館ー！わーい！って叫んでるのをお兄ちゃんが愛おしそうに見ている。
……羨ましいな、仲いいな。って、何度も何度も思ってて
結婚したらいいのに、って思ってて。
……でも、大好きなお兄ちゃんが離れていくって思うと、首は縦に動かない。
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翔「はい、どーぞ」
「ありがとう。」
智「さんきゅー」
鈴香「よっ！太っ腹！」
翔「うるせぇ。」(笑)
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イルカの絵が描かれたチケットを手に取って、場は笑いに包まれる。
お兄ちゃんは照れくさそうに俯いていて
その頃大野さんは入口のところの店員さんの方をなぜか、ジーッと見つめていた。
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鈴香「じゃあ、こっから2人組で行動ねー！」
「へ？」
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サンマとか、マグロとか
みんなが知ってるサカナが優雅に泳いでるコーナー。
水族館では静かにしなきゃいけないのに、なぜか鈴香さんは叫びまくってて周りから白い目線を食らっている。
なのに、気づかない。
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お兄ちゃんと鈴香さんがなぜか目配せをして、お互いニヤリと怪しげに笑うから、なんなんだろ。って。
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翔「じゃあ、俺らは……、あっちの方行くから。そちらはそちらでお好きにどうぞ？」
鈴香「じゃあねー！Aちゃーん！」
「あ、ちょっと待って」
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控えめに出した声は、宙に消え去ってどこかへ消える。
……一言二言しか交わしてないのに、いきなり2人きり！？
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年2月14日 21時
