05.いい人とのご対面 ページ6
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強い風が吹く。
桜が舞って桜吹雪となっていた。
鈴香さんの頭の上に着いた桜をサッサと払って目を見合わせて笑いあった。
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春、一面。
大きな公園でお兄ちゃんと鈴香さんと私で待ち合わせ。
お兄ちゃんはそのいい人という方を連れてくるためにこの場を外してる。
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「緊張する……」
鈴香「大丈夫！私がいるよー」
「ありがとうございます。」
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目線を川の方に移す。
さっきの強風で落ちてしまったであろう桜の花びらがそこらじゅうを行ったり来たりしている。
水面が煌めいていて、なんだか穏やかだ。
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翔『明日に会うからねー』
『え？早くない？』
翔『俺だって都合あるんだし。』
心の準備が整ってないことをお兄ちゃんは気付かぬまま、話をズンズン進めるお兄ちゃん。
スマホ片手にメモを取るお兄ちゃんの横顔を不満そうに見つめる私と、不思議そうな顔してる鈴香さん。
たまに画面見てクスクス笑ったり、よく分からない。
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今日の朝は『対面』ってことだけを頭に入れて、とにかくお洒落を頑張った。
いつもは着ないような服、メイクもいつもより頑張ったり。
鏡の前で右往左往、これで大丈夫かな似合ってるかな。なんていつもは思わないような心配も浮かんできた。
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よし、と気合を入れて踏み入れた公園には談笑してる二人が見えて、
張りつめてた肩も解れた気がした。
遅れてすみません、そう声を掛けると大丈夫大丈夫なんて声合わせて言うから、私は笑ってしまう。
…お似合いだな、って何度も思った。
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翔「…紹介するよ。大野智って言うの」
鈴香「へぇー！かっこいい！」
「よろしくお願いします？」
智「……よろしく」
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第一印象は、なんだか眠そうな人。
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06.第一印象、『眠そう』→←04.あーそうそう、本題がね？
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年2月14日 21時
