03.妹と姉 ページ4
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翔「おーわった。あ、鈴香。ピンポン鳴ってたけどなんだった？」
鈴香「んー？」
翔「だからなんだった？って…え？」
「久しぶりーお兄ちゃん」
翔「…ん？」
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ガチャと開いたドアから現れたのは櫻井翔こと、私のお兄ちゃん。
撫でた肩を自分で揉みながら鈴香さんに寄り添う姿は熟年夫婦のよう。
そんなところを羨ましく思う。
……私もあんな風に、なんてお兄ちゃんと鈴香さんを私たちに見立ててしまう「くせ」は平常運行。
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翔「あ、あれ、幻想かな。もう来ないって思ったのに」
「なに、来てほしくなかったの。」
翔「イヤ…来てほしかったけど。…当分は来ないと……。」
「…ふーん」
翔「次会うときは結婚の挨拶の時って思ってて……」
「あ、別れたから。カズとは」
翔「うんうん、そっかそか。…え？」
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説明が面倒くさくなる。
元々大きい目をさらに大きくさせて驚くお兄ちゃんは正直笑いものだ。
ソファーに座って笑うのを必死にこらえる私とキッチンのとこでクスクス笑う鈴香さん。
……不思議な空間だ。
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翔｢こう見るとなんか姉妹みたいだね。｣(笑)
鈴香｢んー？私たち生き別れた姉妹だもんねー！｣
｢ん！？あ、そうなの！生き別れた姉妹なの！｣
ハンバーグをソースにたっぷりつけてぱくり。
んーーー！なんて感動の声を零しながら、目の前の2人の争いを眺める。
あーでしょこーでしょ。そんな会話が行き交っている。
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私なんか忘れてるんじゃないか、ってくらい。
…………。
私はーーー……。
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この2人にとっては、邪魔者なのかもしれない。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年2月14日 21時
