27.来る日来る日、あなたを想って ページ28
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鈴香『もしもし！？Aちゃん！？』
「びっ……、くりした……。」
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春の木漏れ日がカーテンからのぞかせる、朝。
……キラキラに光り輝く、その太陽を少し睨みながら鈴香さんとの通話。
……耳が壊れるわ。
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「なんですか、こんな朝っぱらに」
鈴香『ちょっと！Aちゃん、恋のライバルなんていたの！？』
「なんで知ってるんですか」
鈴香『翔！……で！ライバルの名前は！』
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興奮してるのかなんなのか。
声のボリュームがバカになってて、耳がキーンってしてる。
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「言いますから、……声のボリューム抑えてくださいね。」
鈴香『……はい。』
「渡部葵さん、という方だそうです。」
鈴香『……わたべ？』
「はい。」
鈴香『……聞いたことある……。』
「え」
鈴香『あれ、葵ちゃんって……』
「……？」
鈴香『二宮くんと付き合ってるって、社内で噂になったって翔が……』
「……ぇ」
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声が掠れた。
掠れるくらい、ショックなことだったんだ。
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まあ、あの2人は美男美女だ。
注目されるに違いない。
……じゃなくて。
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「……その、渡部さんとお兄ちゃんって同じ会社なんですか？」
鈴香『……確かね。』
「……」
鈴香『……なんか葵ってイライラする！』
「なんでですか(笑)」
鈴香『大野さんと元恋人って言うんでしょ！それに今は二宮くんと付き合ってるって言うし！それに翔とも同じ会社同じ課なのよ！？』
「あらー……」
鈴香『いいとこ取りしすぎだっての！』
「……そうですね」
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鈴香さんは、いつでも私の味方でいてくれた。
私が辛い時は、一生懸命励ましてくれたり
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鈴香『……でも、Aちゃんも割といいとこ取りしてるよね。(笑)』
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時に尖った刃で傷つける時もある。
……天然兵器か、否か。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年2月14日 21時
