THE Four Seasons 【K.N】Part1 (ページ27)

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26.心の中の小さな小さな恋心...sideS ページ27

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翔「……なに」

鈴香「なんか怖い顔してる。」

翔「うるせ」

鈴香「重度のシスコンねー、キモイ」

翔「だまれ。」

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目の前のディスプレイには、「櫻井A」というLINEのトーク画面。

そのトーク画面には、「大野さんに仮のカレカノしてくれって頼まれたから了承した。」なんてシスコンの俺を抉るような文面だった。

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鈴香「……仮でも、いいんじゃない。Aちゃんが幸せになれるんなら。」

翔「仮じゃ……、ね。……いつか裏切りそう。」

鈴香「深く考えすぎ。……頭脳吹っ飛んじゃうよ。」

翔「この一大事をほっとけるかっての」

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重く深いため息をついた。

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『お兄ちゃーん！……痛っ！』

翔『ふふ、大丈夫かー』

『おにーちゃんのせいで転んだー。』

翔『俺のせいにされた。(笑)』

『だって、おにーちゃんが悪いもん。』

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俺が高３、あいつが高１の時。

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あいつはとてつもなくドジだった。

……こんなの、目の前で言ったら怒るだろうけど

本当に、目を離したらどっかに行っちゃいそうで。

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翔『A。(笑)』

『なんだよー、おにーちゃーん。(笑)』

翔『ーーーーーーーっ』

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兄妹

家族

ともだち。

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そんな関係とは言えない、……感情がムクムクと押し上げてくるような感覚が気色悪かった。

……恋情だとか、そんなのが。

「A」で埋め尽くされそうだった。

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翔『……Aー。』

『ん？』

翔『おれ、彼女できたわー』

『お！さすがおにーちゃん。モテモテだからだー。(笑)』

翔『へっへっ』

『幸せにしてやれよー』

翔『男か。(笑)』

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彼女なんてできてないよ。

嘘が、どんどん広まっていくその恐怖を知らなかった。

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嘘に嘘を重ねた、その結果は

……結局自分を傷つける。

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