16.また逢いましょう。 ページ17
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ーーー…じゃあ、これで、
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お兄ちゃんのその言葉で、この場は解散となった。
私は、家が同じ方向の大野さんと帰るわけで。
……鈴香さんに散々茶化された後だから、なんか気まずい。
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｢……。｣
智｢……。｣
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すっごい静かな空間。
街灯に照らされた道を辿っていく。
大野さんは、一点をぼーっと見つめてただ歩いている。
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ーーー…なんか話さなきゃ。
って心臓がバクバク鳴ってる。
さすがに気まずいよ……。
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｢……あの｣
智｢ん……？｣
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私の1歩先を歩いてた大野さん。
小さく声を掛けると｢ん？｣って振り返った。
街灯に照らされた顔見て、ちょっと見惚れたのは内緒。
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智｢……なに？Aちゃん。｣
｢あ……の。……怒ってますか？｣
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焦って、話の内容も思いつかなかったからろくでもないこと聞いてしまった。
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智｢……怒ってないよ。｣
｢そ、そうですか。すみません……。｣
智｢なんで？｣
｢えっ？｣
智｢なんで怒ってるかなんて聞いたの？｣
｢……だって、……大野さん喋ってくれないから｣
智｢え、ふふ。……だって俺、からかわれるの嫌いだし。｣(笑)
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……脳裏に鈴香さんのニヤニヤした顔が思い浮かんだ。
あぁ、大野さんからかわれるの苦手なんだ。
元々私も好きじゃないかもしれない。
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智｢正直ね、あの女の人苦手かも。｣
｢……まあ、大野さんとは真逆の人間かもしれないですね。｣
智｢……でも…｣
｢なんですか？｣
智｢……いや、なんでもない。｣
｢気になるじゃないですか！｣
智｢お子ちゃまは知らなくていいの。｣
｢お子ちゃまじゃないです！｣
智｢はいはい。｣
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いっぱい話して、帰路を辿ってあっという間に着いた私の家。
名残惜しそうに、大野さんを見つめると｢LINE交換したし、連絡取り合おうね｣って大野さんは言ってくれた。
口元が｢今度は2人で。……会おうね。｣と紡いだ。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年2月14日 21時
