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いつもだったらとっくに自分の部屋に戻っている時間。

一度だけ、ニノは携帯型のゲームを取りに行き、それ以来ずっとここにいる。

俺も普段はそんなことをしないのに、リビングのテレビを見るともなしにずっと見続けていた。


「ねぇ」


ふいにニノが俺に声をかける。

その視線はゲーム機に注がれたまま、手だって操作をやめはしない。

俺もまた、テレビに視線をやったまま相槌を打つように答えた。


「何?」

「相葉さんはさ…ここが無くなったらどうすんの?また実家、帰んの?」


それは思いがけない問いかけだった。

確かにここにこうしていられるのはあと半年。

居心地がよくなってしまったせいで、期間限定だってことを忘れそうになる。

来年の春、どうしているのか。

そんなことを真剣に考えたことはなかった。


「まだ、考えてないけど…」

「そっか…」


チラリとニノを見れば、その視線は変わらずゲームにあった。

雨音がやけに大きく聞こえる。

なぜだか急に、俺は二人っきりの空間を強く意識してしまった。

こんな機会、この先あるだろうか。

心臓の音がドクンドクンと鳴り響く。


「ニノ…俺」


そう言葉を発した時に、ガチャガチャと玄関の方から乱暴な音がした。

二人同時に立ち上がって向かう。

そこにいたのは濡れ鼠になった松潤。

慌ててタオルを差し出せば、男前にその身体を拭き始めた。


「帰ってこないんじゃなかったの?」

「んー、なんか仮眠室も一杯になっちゃったし、今のうちなら少し弱まったし帰れっかなって」


「お疲れ。風邪ひいちゃうからお風呂行ったら?」

「そうするわ」


言いながらそのままバスルームへ直行して行った。


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LILY(プロフ) - リカオンさん» リカオンさん、わーい!楽しんでもらえてうれしいです(≧∀≦)翔さんとニノちゃんの関係にも、気づいてくださってるー♪ふふふ、頑張れの声援を受けて相葉さん勇気を出しましたよ!あの子もまた、ちゃんと…ね。ちょっと大人な幼馴染の恋らしく描けてるといいな♪ (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちぃさん» ちぃさん、コメントありがとうございます♪ふふふ、応援の甲斐あって、相葉さん覚悟を決めて頑張りましたよー(≧∀≦)…って、お返事遅くなっちゃってごめんなさい!これからも引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
リカオン(プロフ) - きゃー抱きしめられた!あ~楽しいです。ごまかしちゃう相葉さんに大きく納得!なんだか進展があってワクワクしてます。翔さんが頑張れって言ったってことは、ニノちゃんの気持ちを知ってるんですね!もどかしかったけど、ついに告白かな?みんな味方だから頑張れ~! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 55b986bc0f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 相葉ちゃん頑張れーッ!しか言えません(^^; お話いつも楽しみにしてます♪ (2018年6月5日 9時) (レス) id: 1172241616 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、鋭い!(笑)嵐の夜、二人きり、お風呂上がりのあの子…と条件が揃っていたのに、ね> <でもでもほんの少しだけお互いに意識した夜だったかも!?おっしゃる通り季節はまだ秋…これからです(笑) (2018年5月23日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/  
作成日時:2018年5月19日 4時

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