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「ずっと心配してたから…」
「…風邪はもういいのかよ」
抱きしめられたまま、ニノが言う。
俺はゆっくりと身体を離すとニッコリ笑って頷いた。
「おかげさまで…ニノがいっぱい看病してくれたから」
「別に…そんなしてないし」
照れ隠しに苦笑する。
そんな俺に拗ねてプイッと横を向いたニノはお返し、とばかりに核心を突いてきた。
「で、『ちゃんと話』っていうのは?」
言われた瞬間、覚悟していたはずなのに心臓が一気にドクドクと脈を速める。
俺は自分が逃げないように、そしてニノを逃さないように手を取ると、やさしく握りしめた。
それにニノが一瞬ビクッとして視線を俺に戻す。
そしてそのまま俯いてじっと繋がれた手を見た。
「好きだよ、ニノ」
「だから…何だよ、それ」
苛立ったようにこの間と同じ言葉を投げ返すニノ。
だけど俺はもう逃げない。
繋いだ手にギュッと力を込めると、その顔をじっと見つめて口を開いた。
「『ニノのことが好きだ』って言ったの。ずっと友達でいようって思ってきたし、今でも正直その方がいいんじゃないかって気持ちもある。だけど、たぶんニノだって気づいてるでしょ?俺の気持ち。だからハッキリさせたかったんじゃない?」
「それは…」
「俺はもう逃げない。ニノが俺のことをもう友達としても見られないっていうなら、ちゃんとそれも受け止める。今まで気持ち悪い思いをさせてたら…ごめん」
「…バカ、んなわけないじゃん」
俺の言葉にニノはパッと顔を上げると手を繋いだまま睨みつけた。
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LILY(プロフ) - リカオンさん» リカオンさん、わーい!楽しんでもらえてうれしいです(≧∀≦)翔さんとニノちゃんの関係にも、気づいてくださってるー♪ふふふ、頑張れの声援を受けて相葉さん勇気を出しましたよ!あの子もまた、ちゃんと…ね。ちょっと大人な幼馴染の恋らしく描けてるといいな♪ (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちぃさん» ちぃさん、コメントありがとうございます♪ふふふ、応援の甲斐あって、相葉さん覚悟を決めて頑張りましたよー(≧∀≦)…って、お返事遅くなっちゃってごめんなさい!これからも引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
リカオン(プロフ) - きゃー抱きしめられた!あ~楽しいです。ごまかしちゃう相葉さんに大きく納得!なんだか進展があってワクワクしてます。翔さんが頑張れって言ったってことは、ニノちゃんの気持ちを知ってるんですね!もどかしかったけど、ついに告白かな?みんな味方だから頑張れ~! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 55b986bc0f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 相葉ちゃん頑張れーッ!しか言えません(^^; お話いつも楽しみにしてます♪ (2018年6月5日 9時) (レス) id: 1172241616 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、鋭い!(笑)嵐の夜、二人きり、お風呂上がりのあの子…と条件が揃っていたのに、ね> <でもでもほんの少しだけお互いに意識した夜だったかも!?おっしゃる通り季節はまだ秋…これからです(笑) (2018年5月23日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時:2018年5月19日 4時