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「そっか…。それで、相葉くんはどうしたいの?」
「え?俺?」
「うん。ニノとこのまま友達でいたいのか、それとも恋人とかそういう関係になりたいのか。そこをハッキリしないと戻ってきて欲しいなんて言えないんじゃない?」
大野さんの言葉は至極もっともで、腹の底にドンと落ちた。
確かに中途半端なままじゃ何も言えない。
ドクンドクンと鳴る心臓の音にグッと拳を握りしめる俺に、大野さんがふにゃんと笑って言葉を重ねた。
「これはさ…きっとニノからのサインでもあると思うよ」
「サイン?」
「相葉くんに覚悟を決めて欲しいってことじゃないかな。ま、これは俺の勝手な憶測だけどさ…」
「覚悟…か」
『好きだよ』ってその言葉はあの時確かに聞こえていたはず。
ニノはその時それを問い質した。
だけど俺は答えられなくて…
友達としていたいのか、恋人になりたいのか。
もしかしたら、今が潮時なのかもしれない。
「とりあえずさ、魚食おう?腹ごしらえしないと、腹に力入んないだろ」
「…ありがと」
席を立った大野さんにそう言えば、ふわりと微笑まれた。
もしかしたら、一番の友達を無くしてしまうかもしれない。
だけど、きっとこのままじゃ何もできないうちに距離ができて離れていってしまう。
それなら自分の気持ちをちゃんと正直にぶつけよう。
真っ白なご飯に柔らかな魚。
その美味しさに勇気づけられるように、俺は気持ちを固めた。
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LILY(プロフ) - リカオンさん» リカオンさん、わーい!楽しんでもらえてうれしいです(≧∀≦)翔さんとニノちゃんの関係にも、気づいてくださってるー♪ふふふ、頑張れの声援を受けて相葉さん勇気を出しましたよ!あの子もまた、ちゃんと…ね。ちょっと大人な幼馴染の恋らしく描けてるといいな♪ (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちぃさん» ちぃさん、コメントありがとうございます♪ふふふ、応援の甲斐あって、相葉さん覚悟を決めて頑張りましたよー(≧∀≦)…って、お返事遅くなっちゃってごめんなさい!これからも引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
リカオン(プロフ) - きゃー抱きしめられた!あ~楽しいです。ごまかしちゃう相葉さんに大きく納得!なんだか進展があってワクワクしてます。翔さんが頑張れって言ったってことは、ニノちゃんの気持ちを知ってるんですね!もどかしかったけど、ついに告白かな?みんな味方だから頑張れ~! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 55b986bc0f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 相葉ちゃん頑張れーッ!しか言えません(^^; お話いつも楽しみにしてます♪ (2018年6月5日 9時) (レス) id: 1172241616 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、鋭い!(笑)嵐の夜、二人きり、お風呂上がりのあの子…と条件が揃っていたのに、ね> <でもでもほんの少しだけお互いに意識した夜だったかも!?おっしゃる通り季節はまだ秋…これからです(笑) (2018年5月23日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時:2018年5月19日 4時