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食べ終えて、そのままソファーに寝転んで何かしていたニノ。
本を読み終えて顔を上げれば、いつの間にか眠ってしまっていた。
「あひゃひゃ、珍しい」
俺と違ってニノは普段、あんまりそういうことはしない。
昨夜はずいぶん遅くまで起きていたみたいだったから、きっと眠りが足りなかったんだろう。
俺はそっと席を立つと、部屋からブランケットを手に戻ってきた。
起こさないように注意してその上にかけてやる。
その寝顔は昔っから変わっていない気がした。
俺はそのまま床に座り込むと、じっと見つめる。
「ありがとね…ニノ」
いつもは俺のことなんて飯を食わせてくれる便利なやつ、くらいにしか思ってなさそうなのに、こうして体調を崩したりするとなんだかんだ言ってやさしい。
照れ屋で天邪鬼だから面と向かっては言ってくれないけど、大事に思ってくれているのはちゃんと伝わってるんだ。
それが俺と同じ『好き』って気持ちだったらいいのに…
そう思ったら無性に切なくなった。
「面と向かって言えないのは俺も同じか…」
自嘲気味に呟く。
無防備な寝顔にキスをしたい。
やさしく唇をくっつけて、その身体を抱きしめたい。
湧き上がる欲望を必死で抑え込む。
唇を噛むと、そっと口を開いた。
「好きだよ…ニノ」
緊張からか出てきた声は掠れていて、俺は小さく苦笑する。
規則的に上下する胸、起きそうにもないその様子に立ち上がろうとすると後ろから急に袖を引っ張られた。
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LILY(プロフ) - リカオンさん» リカオンさん、わーい!楽しんでもらえてうれしいです(≧∀≦)翔さんとニノちゃんの関係にも、気づいてくださってるー♪ふふふ、頑張れの声援を受けて相葉さん勇気を出しましたよ!あの子もまた、ちゃんと…ね。ちょっと大人な幼馴染の恋らしく描けてるといいな♪ (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちぃさん» ちぃさん、コメントありがとうございます♪ふふふ、応援の甲斐あって、相葉さん覚悟を決めて頑張りましたよー(≧∀≦)…って、お返事遅くなっちゃってごめんなさい!これからも引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
リカオン(プロフ) - きゃー抱きしめられた!あ~楽しいです。ごまかしちゃう相葉さんに大きく納得!なんだか進展があってワクワクしてます。翔さんが頑張れって言ったってことは、ニノちゃんの気持ちを知ってるんですね!もどかしかったけど、ついに告白かな?みんな味方だから頑張れ~! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 55b986bc0f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 相葉ちゃん頑張れーッ!しか言えません(^^; お話いつも楽しみにしてます♪ (2018年6月5日 9時) (レス) id: 1172241616 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、鋭い!(笑)嵐の夜、二人きり、お風呂上がりのあの子…と条件が揃っていたのに、ね> <でもでもほんの少しだけお互いに意識した夜だったかも!?おっしゃる通り季節はまだ秋…これからです(笑) (2018年5月23日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時:2018年5月19日 4時