30 ページ30
新しいシーツがひんやりして気持ちいい。
横たわった俺を隣に立ったニノが体温計を手に優しい目で見下ろしていた。
「ゆっくり休めよ」
「うん、そうする。もう本当に平気だからニノもちゃんと寝て?」
「わかってるって」
「おやすみ」
俺は幸せな気持ちで再び目を閉じた。
次に目が覚めて、一番最初に感じたのは空腹。
そういえば、昨夜ゼリー飲料を口にしただけでちゃんとした食事は取っていない。
枕元の携帯を見れば10時前。
どうやら断続的ながら睡眠は十分に取れたようだった。
今回は汗もほとんどかいていなくて、不快感もない。
用心してあったかい格好に着替えてキッチンに行くと、そこには松潤の姿があった。
俺を見て、あっと声を上げる。
「調子、どう?」
「んー、昨夜よりはだいぶマシかな」
「そっか…お粥作ったけど、食えそう?」
「え?わざわざ作ってくれたの?」
驚いて尋ねれば、松潤が苦笑した。
「昨夜さ、ニノが『明日でいいからお粥作って欲しい』って。『どうした?』って聞けば『相葉くんが風邪ひいて寝込んでるんだ』って言うからさ」
「ニノが?そう言ったの?」
「そ。ま、今日は遅番だし、時間の余裕もあるからいいけど。っていうか、あいつもお粥くらい自分で作りゃいいのに」
その言葉にチラリとニノの部屋のある二階を見上げる。
きっと自分が作るよりも松潤の方が確実だと思ったんだろう。
ニノらしい、と思いながら俺は松潤がよそってくれたお粥をふーふーしながら口に運んだ。
「どう?」
「ん、沁みる。美味いよ」
「ならよかった。じゃ、俺行くわ」
「ごめんね、朝から」
「今日はニノも一日部屋にいるって言ってたし、何かあれば言えよ?」
「あひゃひゃ、大丈夫だって」
松潤がそう言ってそのまま家を出て行く。
俺は残ったお粥を口に運びつつ、ぼんやりとニノのことを考えていた。
・
700人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
LILY(プロフ) - リカオンさん» リカオンさん、わーい!楽しんでもらえてうれしいです(≧∀≦)翔さんとニノちゃんの関係にも、気づいてくださってるー♪ふふふ、頑張れの声援を受けて相葉さん勇気を出しましたよ!あの子もまた、ちゃんと…ね。ちょっと大人な幼馴染の恋らしく描けてるといいな♪ (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちぃさん» ちぃさん、コメントありがとうございます♪ふふふ、応援の甲斐あって、相葉さん覚悟を決めて頑張りましたよー(≧∀≦)…って、お返事遅くなっちゃってごめんなさい!これからも引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
リカオン(プロフ) - きゃー抱きしめられた!あ~楽しいです。ごまかしちゃう相葉さんに大きく納得!なんだか進展があってワクワクしてます。翔さんが頑張れって言ったってことは、ニノちゃんの気持ちを知ってるんですね!もどかしかったけど、ついに告白かな?みんな味方だから頑張れ~! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 55b986bc0f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 相葉ちゃん頑張れーッ!しか言えません(^^; お話いつも楽しみにしてます♪ (2018年6月5日 9時) (レス) id: 1172241616 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、鋭い!(笑)嵐の夜、二人きり、お風呂上がりのあの子…と条件が揃っていたのに、ね> <でもでもほんの少しだけお互いに意識した夜だったかも!?おっしゃる通り季節はまだ秋…これからです(笑) (2018年5月23日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時:2018年5月19日 4時