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冷たいスポーツドリンクが身体に沁みていく。
さっきよりはだいぶ楽にはなった気がするけど、やっぱり内部が熱っぽい。
しんどく息を吐くと、ニノが心配そうな顔で近寄ってきた。
「まだ怠そうだね」
「まあね…でも寝れば治るよ。こんな時間だし、ニノも早く寝なよ?」
「オレはいいんだよ、別に」
怒ったように言いながらその手が冷えピタを剥がす。
そして俺の髪をかき上げてペタリと貼りつけた。
瞬間、その冷たさにビクリとする。
だけど慣れるとスーッとした心地よさがあった。
「ありがとね」
「他に欲しいものとかない?」
「大丈夫」
笑って、翔さんが買ってきてくれたっていうスポーツドリンクを手に再び部屋に戻る。
最後まで不安そうに俺を見ながらもニノも二階に上がって行った。
薬のおかげか腫れていたリンパ節の痛みもひいている。
ベッドに横になると、そのままいつの間にか眠ってしまっていた。
ふわりと意識が浮上して、不快感に顔を顰める。
どうやら、眠っている間にまた汗をかいたらしい。
体力が奪われているからか、起き上がるのがしんどくてしばらくそのまま目を瞑っていた。
だけど、やっぱり汗でべとついた身体が気持ち悪い。
踏ん切りがつかずうんうん唸っていると、その時静かに部屋のドアが開いた。
視線をそっちにやれば覗いたニノと目が合う。
一瞬、マズいという顔をしたものの、そのまま部屋に入ってきた。
近づいてきて、額に浮かんだ汗を手にしたタオルで拭き取る。
「すごい汗かいてるじゃん」
「うん、着替えようかと思ってたとこ」
その言葉にニノがクローゼットを勝手に開けて必要なものをポンポン出していく。
そして最後に手にしていたタオルをポンと投げてよこした。
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LILY(プロフ) - リカオンさん» リカオンさん、わーい!楽しんでもらえてうれしいです(≧∀≦)翔さんとニノちゃんの関係にも、気づいてくださってるー♪ふふふ、頑張れの声援を受けて相葉さん勇気を出しましたよ!あの子もまた、ちゃんと…ね。ちょっと大人な幼馴染の恋らしく描けてるといいな♪ (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちぃさん» ちぃさん、コメントありがとうございます♪ふふふ、応援の甲斐あって、相葉さん覚悟を決めて頑張りましたよー(≧∀≦)…って、お返事遅くなっちゃってごめんなさい!これからも引き続き応援よろしくお願いします。 (2018年6月6日 6時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
リカオン(プロフ) - きゃー抱きしめられた!あ~楽しいです。ごまかしちゃう相葉さんに大きく納得!なんだか進展があってワクワクしてます。翔さんが頑張れって言ったってことは、ニノちゃんの気持ちを知ってるんですね!もどかしかったけど、ついに告白かな?みんな味方だから頑張れ~! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 55b986bc0f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 相葉ちゃん頑張れーッ!しか言えません(^^; お話いつも楽しみにしてます♪ (2018年6月5日 9時) (レス) id: 1172241616 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - えーすさん» えーすさん、鋭い!(笑)嵐の夜、二人きり、お風呂上がりのあの子…と条件が揃っていたのに、ね> <でもでもほんの少しだけお互いに意識した夜だったかも!?おっしゃる通り季節はまだ秋…これからです(笑) (2018年5月23日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時:2018年5月19日 4時