Season -autumn

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「何見る？」

「決めてないけど、秋物かなぁ…そろそろニットとか欲しいかも」


「あぁ、わかる。こないだ雑誌で見たざっくりしたニットのカーデが結構良さそうだったんだよな」

「じゃあ、それ見に行く？」


とりあえず向かったのは旗艦店が立ち並ぶ通り。

そこから横道に入ったところにはセレクトショップも多くて、高校の頃から買い物といえばここら辺に来ることが多かった。

それでもまずは腹ごしらえ。

高校の頃から行きつけの隠れ家っぽいカフェに足を向けると、まだ変わらずにそこにあった。


「ここ、よく来たよな」

「うん。俺、今でもたまに来るよ」


言いながら二人とも定番のその日のランチセットを注文した。

こじんまりとした店は夜はお酒も出すらしく、いつ来てもほどほどにお客さんが入っている。

聞けば、この辺は美容関係のサロンも多いから時間によっては結構混むらしかった。

あの後、俺たちは昼過ぎに家を出たけど、その前に翔さんは用事を済ませに出ている。

ランチには間に合わないと思うと言われていたので、遠慮なく二人で済ませた。


「じゃ、行きますか」

「おう」


再び外に出て、フラフラと目についた店に入る。

ここのところ一人で買い物することが多かったから一緒にああだこうだと言うのはひどく楽しい。

ショーウィンドウを指差し、服を手にとって、意見を言ったり求めたり。

買おうか悩む松潤にダメ出しをした時には一瞬しかめっ面をされたけど、後から『サンキュ』とお礼を言われた。

２時間ほどブラブラして買ったのは俺のスニーカーと松潤のTシャツ。

松潤は色で迷った結果色違いで大人買いしていた。

どこかで休もうかと話していた矢先に電話が鳴る。

翔さんからだった。


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