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適当なかんじで茶化されながら、歩みを進める。のんびり歩いているうちに他の子たちに追いつかれたみたいだった。まだ、みんなで取り決めた集合時間にはまだ早いはずだけれど。『すこしでも早くあの場所に』と思ってしまったのは、私たちだけではなかった、ということかな。
どうにか私と悠馬くんの話から話題を逸らして。高校での生活はどうだ、とか。そんな話をしながら山道を登って。教室の中にまで先に足を踏み入れてしまうのはどうなのだろう、と考えた結果、生徒玄関のあたりに腰を下ろして雑談を続けていたら、どんどん人が集まって。そろそろ集合時間になる、という頃にはクラス全員が集まっていた。
「よし！無事にみんな集まったことだし、まずは手入れだな！」
「よっしゃ！」
「うん！」
「おう！」
「やるぞー！」
悠馬くんの声に、思い思いの気合の声で応える。どんなに暑くても、みんな元気いっぱい、気合十分だ。
使われていないとは言っても、しばらく掃除の手も入らず放置されていたぶん汚れは溜まるし、校庭や花壇にも雑草が生えてきたりする。
『手入れ』はころせんせーの専売特許。
どんなに歪んで、汚れて見えたとしても。元に戻すことは、叶わないとしても。時間がかかっても。綺麗に、正しい方向に整える方法はきっとどこかにある。そういう考えは、先生から言葉で伝えられたものではないけれど。これは、先生と過ごした時間の中で私が得た学びのひとつ。これからもずっと大切にしたいと、思う。
…あのスピードだけは、私たちが人間のままでいる限り到底真似できるものではないけれど。
駄弁ったり、ふざけ合ったりしながら一つのことを協力して行う。
やっぱり、みんなと過ごす時間がとっても好きだな、なんて、改めて思って見たり。
「ひゃっ…！？」
暑い中、時折水分補給を挟みながら作業を続けて、そろそろお手入れも終わりかなという頃。
突然水を掛けられた。…なんで？
「あー、ごめん！間違えた」
「…うん？」
悪戯っ子の笑顔でホースを構えた中村さんの声には全く謝意がこもっていない。わざとなんだろうなとなんとなく察する。水を掛けられた理由はわからないけれど。
冬にびしょ濡れになってしまったら凍えてしまうだろうから、大問題だけれど。今はおかげで、というかなんというか、涼しくなったしこの暑さならすぐに乾くだろうから、いいか。
「うわっ！A！？なんでそんな…！」
「中村さんが…わ、ふ…」
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
