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雲一つない、綺麗な青い空。まだ朝早い時間だというのに、じりじりと照り付ける太陽。
絵に描いたような夏の日。
「あっ」
私が彼の姿を見つけたのと、彼が私を見つけて声を出したのはほぼ同時だった。少し表情を緩めた彼に駆け寄る。
「おはよう、悠馬くん」
「ああ、おはよ。今日は間違えたとかうっかりとかじゃなく、ここ、だな」
「ふふ…そうだね？」
今日の目的地は、久しぶりに足を運ぶような気がする旧校舎。
賞金を使って購入したこの土地と、あの校舎を、今後どう扱っていくのかを考えることと、『手入れ』。
「ちょっと…早かったね」
「うん、早すぎたかも」
時刻を確認した後、顔を見合わせて少し笑ってしまう。集合時間よりもかなり早くに、旧校舎に着いてしまいそうになっているのは私だけではなかったみたい。
なんだか抜け駆けでもしているみたいな気がするけれど。みんなよりも一足早く、ゆっくり『登校』してしまおう、という話になった。久々に歩く道を、ゆっくりと喋りながら登っていく。
夏休みの旧校舎。
思い出すのは『お小遣い稼ぎ』の名目で呼び出された日のこと。
呼び出しに応じたら虫取りが始まって。かと思えば岡島くんの研究の集大成とも言えた暗殺計画の行方を見守って、先生の醜態を見せられて。口止め料としてアイスを貰ったあの日。
「そんなことやってたのか…」
苦笑いを浮かべた彼に笑みを返して続ける。
「…それで、あの時、本当に困ったの。みんな平気そうなんだもの。悠馬くんが、助けに来てくれないかな、なんて考えてて…思い返してみたら、すこし変だね？」
そんな風に考えること、あんまりないから。
怖い時、困った時、最近は悠馬くんの顔が浮かぶのも、そこまで不思議ではなくなってきている気がするけれど。あの頃からかなり、彼のことを頼れる人として認識していた…ということ、なのかな？
「全然変じゃないよ。っていうか、ちょっと…だいぶ嬉しいな、それ」
今後もその調子で、と本当に嬉しそうに笑った悠馬くんにぽんと頭を撫でられた。
「目の前でこーも堂々とイチャつかれると声かけづらいぞー、お2人さん」
「ぅわっ！？」
「……びっくり、した」
後ろから掛けられた声に、2人同時に肩を跳ねさせて、振り返った。
そこにいたのは前原くん…だけではなくて。
「いや、いるなら普通に声かけてくれよ…！」
「やっぱり気付いてなかったんだー！」
「まあ、なんか完全に二人の世界にいたもんねぇ…」
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
