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「そっか」
柔らかく笑ったAが何を褒めてくれてるんだか、わかってない気がするけど。
せっかくの2人でいられる時間なのに、これでいいのかなーとかってほんのちょっとだけ悩んじゃってたことにも、彼女が、そんな笑顔になれるくらいに『素敵』な何かを見出すことができたなら。俺がその手伝いをすることができた、ってことなら、まあ、こういうのもなかなかいいかもって思えてくる。
そこまで考えてやっと、Aが言ったことの意味がちゃんと分かったような気がした。『一緒に見るものが素敵なもので溢れてる』のは…俺1人じゃ絶対に見つけられなかっただろう素敵なものを、たくさん教えてもらってるのは、俺の方だな。
「……？」
半ば無意識で、Aの髪に手を伸ばしてた。当然ながら、っていうかなんていうか、急に触られてちょっと不思議そうな顔でこっちを見上げてくる。
「や、何かついてるとかじゃなくて。なんか、こう…吸引力がさ…」
「なぁに、それ？…私、掃除機かなにかなの？」
俺も同じことをされたら、今の彼女と同じような…わけわからん、とでも言いたげな(Aが『わけわからん』なんて言うとこは想像できない)顔になる自信はあるけど。
Aの柔らかく滑らかな髪には、つい手を伸ばして触りたくなるような不思議な魅力があるんだと思う。警戒心が強めで人との距離をしっかりと取るタイプに思えるAがこうやって手で触れられる距離にいてくれてることとかを実感できるのもなんか、ちょっといいな、とか。特に深い理由がなくてもなんとなく触れてみたくなる、みたいな意味の吸引力であって、掃除機だと思ってるわけではない。
「悠馬くんは、面白い表現をするね？」
自分の髪の毛の先に少し触れたAが『吸引力』と小さく首を傾げながら繰り返して、またちょっと笑った。
「Aだったら、なんて言うんだ？」
こんな質問は予想外だし、わけわからんって感じなのに、こんなこと聞かれても困るよなとは、尋ねてみた後、Aが『え』と小さな声を漏らしたのを聞いて思ったけど。彼女の選ぶ言葉を、聞いてみたいと思ってしまったから仕方ない。
『吸引力』って言葉の意味するところをちゃんとすり合わせたわけじゃないから、Aが咀嚼した意味と俺が思ってる意味とはちょっと違うかもしれない、と先に謝罪された。別に気にしないのに。ちょっとした雑談程度の問いにも真摯に向き合って答えようとしてくれるところが彼女らしいなと思う。
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
