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高校に入って初めての1学期はいつも通りに。去年に比べるとなんだかほんの少しだけ、静かに終わった。
終業式の後は、悠馬くんのアルバイト先で、片岡さんたちとお茶をする約束。
「いらっしゃい」
「うん。こんにちは」
「片岡たちは」
「Aちゃん、こっちこっちー！」
あっちに、と手で指し示して教えてくれるのと、倉橋さんが立ち上がって手招きしてくれたのは、ほぼ同時だった。
店内で大きな声で名前を呼ばれることなんてまずないから、思わず首を縮めた後、悠馬くんと顔を見合わせて苦笑いしてしまった。…そこまで静かでも、ないかもしれない。
「えっと…お待たせしました」
「お疲れ。Aってこういう時、なんか妙に畏まるよね？」
「Aちゃんっぽいと思うけどね」
「まだ3時だから、セーフセーフ！」
「……もう少し遅れていたら、アウトだったの？」
「そんなわけないでしょ〜」
今日集まる予定なのが、片岡さん、岡野さん、倉橋さん、矢田さんと私の5人。4人はもう既に到着していたから、なんとなく申し訳なくなっていたら倉橋さんに「セーフ」と笑いながら肩を叩かれた。
「Aは注文、決まったか？」
他の子の注文したものを運んできてくれた悠馬くんが注文が決まったかどうかを確かめてくれる。
「うん。決まった」
今日はさっぱりした飲み物が欲しいから…レモンティーにしようかな。
「うーん…」
最近、私の注文を予想して、何を頼もうとしているのかを当てるというちょっとした、遊び(？)が流行っている。だから彼は、すぐには何にするか、と尋ねないし、私も言わないのが当たり前になりつつある。
…というような事情を知らない片岡さんたちにとっては、悠馬くんが急にだんまりになって、私の顔をじっと見ながら何かを考えているのは、ちょっとおかしな状況かもしれないなと少しだけ思う。
「じゃあ、レモンティーのアイスで」
「正解。…すごいね？」
ちなみに、正解率は8割くらい。
メニュー表にある中で私の注文するドリンクは何種類かで固定されている…とは言っても、その中から1品まで絞るのに、彼が何を根拠にしているのかは、未だによくわからない。…勘？
よし、と小さくガッツポーズをした後注文を伝えに行く悠馬くんを見送った。
「何が始まったのかと思った」
「ほんとにレモンティー飲みたかったの？」
「うん」
悠馬くんから、不正解の時はちゃんと欲しいものを伝えるように頼まれているから。
「えー？なんでわかったんだろー…」
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
