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いつもと同じように貼り出されたテストの結果を見て、ひとまず安堵の息を漏らす。今回も無事に目標を達成することができていて、よかった。
…それから、喜べばいいのか、悔しがればいいのかわからなくてなんとなく、微妙な心境になってしまうのが、赤羽くんと浅野くんの点差。たった2点の差だけれど、大切な2点だものね。今回は赤羽くんの勝ち越し、ということになるのかな。高校に入って初めて、2人の間ではっきりとついた勝敗だ。こういう、1人対1人の勝負みたいなものは、2人ともよく知っている人の間で行われているとほんの少し、複雑な心境になるみたい。
彼らはこの定期試験でたぶん、1番お互いを意識することになっているのだろうなとなんとなく思う。赤羽くんに至っては、彼ともう少し勝負を続けたくて進路を決定したみたいなところがあるみたいだし。
「なんていうか。流石、ってカンジだね」
「ありがとう…？」
やっぱりほんの少し気になる視線にそわそわしてしまっていたら、落ち着きのなさを揶揄うような、結果を見た後の苦笑いのような、なんだか微妙な顔で赤羽くんが声を掛けてきた。
E組に行く前とひとつだけ違うのは、褒めて…努力を認めて？くれる人が増えたこと、かな。未だに、こういう時どういう反応をするのが正解なのだかわからないけれど。
「赤羽くんも、すごいね。浅野くんに勝ち越せたの、うれしい？」
まあまあ。前回のテストでは、はっきりと勝敗がつかなかったし、これで気分良く夏休みを迎えられそう。
素直なのか素直ではないのか、よくわからない答えに笑ってしまう。
「じゃあ、まずは一勝、だね？」
「まあ。Aちゃんにも俺の勝ちって言いたかったとこだけど」
「…それは、その…ちょっと、困る、かも…？」
満点で並んで満足、ではなくて、勝ちを目指すあたりが、彼らしいなと思う。それと同時に…ほんの少し怖いかもしれない。
誰かに上回られるということは、私は目標を達成することができなかったということだもの。そうだったとして、そんな目標がなくたって、誰かに何かを言われることなんてない、それがわかってもまだ…私にはやっぱり、怖いことなんだって、わかってしまったから。
「困る、なんだ」
「うん。こまる、から…負けることはないように、がんばる」
「ふぅん？…まあ俺も頑張るけど」
困るって何が？とでも言いたげで…それでも、それ以上には踏み込まれない。
「ふふ…うん。2学期もがんばろうね？」
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
