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「…んと」
「うん？」
「あまり見ないで欲しい、かも」
「んー、ごめん」
つい。と笑う彼は多分だけれど、あまり謝るつもりがないのだと思う。
「好きな子ほどいじめたくなるってよく言うけど、そういう感覚って、今まで全然わかんなかったんだけどさ。今は、わかっちゃったかもしれない」
「……と言われても、私にはその気持ち、よくわからないのだけど」
相手は、悠馬くんだから。本当に嫌なことをしてきたりはしないと思うし、本当に嫌だと伝えればやめてくれるのだろうけれど。
そこまで言うほど嫌ではなくても、そんなに見られると飲みづらさも余計に増すばかり。あまり見ないで欲しいと…なんとなく恥ずかしくて口をつけられないまま、刻一刻と溶けてしまっている目の前のバニラシェイクを見てほんの少し思う。
「うーん…Aっていつもなんていうか…一歩引いて物事を見てるっていうのかな。落ち着いてる、冷静な子、みたいなイメージが強いだろ？」
「って、言われても周りからどう見えてるかとか、よくわかんないか」
だろ？と言われても、どんなイメージを持たれているのかなんてよくわからない。と、私が返すよりも先に、彼がまた笑ったから。開きかけた口をそのまま閉じてしまう。…エスパー？
「だから、なのかな。Aがそうやって、照れたり、狼狽えたりしてるの見てると、ちょっと新鮮だし、かわいいなぁ、って…」
恥ずかしいからやめて欲しいような。ほんの少しだけ、うれしくて、私にはなんだかもったいないような。そんな言葉はどこか少し中途半端に思えるところで途切れた。
「…んと…」
「いやっ、別に普段のAが可愛くないって言いたいわけじゃなくて！」
「ゆ、悠馬くん。もう、だいじょうぶ…わかった、から…」
「そ、そうか？」
何を思ったのか、更なる褒め言葉を続けようとする彼を慌てて止める。
気が付かないうちに所謂、間接キスというやつをしてしまっていたり、それだけでも恥ずかしいのに、謎に褒められたりして顔が熱い。何故だか彼の方まで少し赤くなってしまうから、もうわけがわからない。
「っと…こういうの、もね。慣れられるように、がんばるね？」
「うん？」
私はなんだか、『遅い』らしいから。今までにお付き合いした女の子がいなくても、人並みの興味や知識があるらしい彼のことを、待たせすぎないようにしたいなと思う。
「いつかも言っただろ。ちゃんと待つって」
「…でも、悠馬くんは、すこしせっかちみたいだから…」
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
