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「2度と会えないって言われるよりはマシだろうけど…それでも絶対に嫌だな。会えるのが1年に1度だけじゃ、Aとの約束果たすのに何年かかるかわかったもんじゃないだろー？」
正面に見えているはずの星空に視線を固定したまま。軽く手を動かして私の髪を撫でながら答えてくれる。
「…100年、くらいかな？」
「かかり過ぎだな」
冗談めかして彼の言葉に答えたら、苦笑いを返された。
「織姫さまと彦星さまは、とっても長生きだから…私たちとは1年が過ぎるはやさが違うのかもしれないね」
寂しいと感じる心に違いはないと思うけれど。相手も同じ寂しさを抱えて…それでも自分を思っていることを知って、ずっと信じていられるのなら。きっと、2人はちゃんと、幸せだよね。
確かめるようにゆっくり話す。
…だって。たとえそれが彼らの罪なのだとしても、寂しさを…空虚な穴を心に抱えて。たった1日の安らかな時間で癒された後、また同じことを繰り返す。そんな風に永劫の時を生きていくなんて、かなしいもの。
そんな物語は、優しくない。
「そうだな」
私の欲しかった肯定の言葉を優しく返してくれる彼に、安心してしまった。自分の嫌なものは認めないで、都合のいいように解釈して。なんだか、わがままな子どもみたいなことを言ってしまったな…。こっそり自省しつつ、今度こそ起き上がると体勢を整えて座る。
「…っわ」
驚いて間の抜けた声を出してしまった。ぎゅう、となんだかいつもよりも強い力で抱きしめられる。そんな状況を認識しただけで顔に熱が集まってきて、心臓がばくばくと音を立てる。
何が何やらわからなくて体の横で手を開いたり閉じたりするばかりの私の耳に、くすくすと笑う声が届く。それと同時に、彼の腕に込められた力が少し緩んだ。
「こういうの、慣れないよな」
「…誰だって急に抱きしめられたら、驚くと思うのだけれど…」
ぽん、と頭を撫でられた。…未だにどうして抱きしめられているのかもわからないのだけれど。幸いなのは、周囲が暗いからどれだけ顔が赤くなっていたとしても彼にそれが悟られることがないということ、かな。
「悠馬くん」
「うん？」
離して、と言いたいけれど、言いたくない。口を開いたもののどうしていいかわからなくて、自分の気持ちに軽く戸惑ってしまいながら名前を読んだら、柔らかい声が返ってくる。
「…悠馬くんは、あたたかいね」
「暑い、じゃなくてか？」
笑い混じりの声にほんの少し首を動かして肯定の意を伝える。
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nano*(プロフ) - 波々さん» 波々様。コメントありがとうございます。気に言って頂けたみたいでとっても嬉しいです！応援のお言葉もありがとうございます。更新ペースはゆったりになってしまうと思いますが、これからもたくさん楽しんでいただけるように、頑張りますね。 (5月19日 8時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
波々 - とても優しくて素敵な文章で一気に読み進めてしまうほどでした♡ 更新応援しております。大好きです¨̮ (5月18日 3時) (レス) @page30 id: 0a0e155cba (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - あーるさん» あーる様。コメントありがとうございます。作品のことを好きになっていただけてとっても嬉しいです。応援も、ありがとうございます。これからも精いっぱい頑張りますね (2022年12月31日 18時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 大好きな作品です。ずっと応援しています (2022年12月28日 21時) (レス) @page15 id: 46a6446a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年10月25日 0時
