きっと、この先もずっと。−５−【川村壱馬】

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Aside









ほとんど壱馬くんが済ませてくれていた家事。







私がやることはほとんど残っていなくて、壱馬くんだって仕事で疲れているはずなのにと申し訳なくなった。







壱馬「まだ気にしてるん？」







その罪悪感は、再び二人でベッドに横になってもまだ少し残っている。







壱馬「俺は楽しかったで？帰ってきたAがこれでちょっと楽になるかなぁとか考えてたら、やる気出て捗ったし」







そう言われると、気にしている方がダメな気がして。







『うん、ありがとう。楽しいって思ってくれたことを、いつまでも私がブーブー言ってちゃダメですね』







壱馬「ふふ。そんな風には思ってないけど、あー助かっちゃった！ってAに思ってもらえたら俺は嬉しいな」







私が人に頼ることが得意じゃなくて、少しのことでも申し訳なくなってしまうのを、壱馬くんは理解してくれている。







だからいつもこうやって、私に甘え方を教えてくれる。







壱馬くんが嬉しいと思うことを、教えてくれる。







『ふふっ。あー、今日はすごく助かっちゃった！壱馬くん、ありがとうございました』







壱馬「ふふっ。どういたしまして」







彼の愛情深い性格を象徴するような、優しくて甘い微笑み。







この人に私は想われていると分かるような、この表情が私は大好き。







そうやって優しく微笑んだまま、額と唇それぞれに触れるだけのキスをしてくれる。







こうやって私はこれからも、壱馬くんに甘やかされていくんだと思う。







『そういえば、』







壱馬「ん？」







『ずっと気になっていたことというか、壱馬くんに聞きたかったことがあるっていうか……』







壱馬「え、なに、こわ」







ふと、壱馬くんの腕の中で壱馬くんとのことを考えていたら、実は気になっていたけれど聞けていなかったことがあることを思い出して。







『ふふ。そんな大したことじゃないんだけどね？』







壱馬「うん」







『その……壱馬くんは、いつ、なんで私のことを意識してくれたんだろうって、ことなんだけど……』







壱馬「“いつ、なんでわたしのことをいしきしてくれたんだろう”？」







私の言葉を小さな声の関西弁で復唱しているけれど、きっとよく分かってないであろう壱馬くん。







物事をゆっくり丁寧に考える彼に、もう少し噛み砕いて聞いてみる。

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