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壱馬side
『お待たせしました』
母親から奪還して風呂へと行かせたAが戻ってきた。
壱馬「おかえり」
俺のTシャツを大きめで着ているAを見るのも、相当久しぶりのように感じる。
俺の隣に腰を下ろすと、珍しくAの方から肩に頭を寄せくっついてきた。
壱馬「ふふ。お疲れ様。オカンの相手してくれてありがとう」
『ううん。楽しかったよ、たくさんお話出来て。ようやく会えて嬉しかったし』
また指を絡めるように手を取ると、握り返してくれるA。
『それに、勝手にだけど、お母さんがもう一人出来たみたいで。それも嬉しかった』
壱馬「そっか。それ聞いたらオカンめっちゃ喜ぶと思うで」
『ふふ、そうかなぁ。でもね、本当に、久しぶりにお母さんの温かさっていうのかな、それを身近に感じました』
実は、Aには母親がもういない。幼い頃に事故で亡くしたそう。
Aが甘え下手で、家事料理が得意で、責任感が強いのは、母親がいなくなった家庭で一生懸命母親代わりをしていたからだと、コウさんが前に教えてくれた。
それを聞いてからより一層、俺はこの人を支えて甘やかせる存在でありたいと思ったことを思い出した。
壱馬「さっきオカンも言うてたけどさ、俺が居らんときでもAさえ良ければ来てくれていいから。俺もオカンも嬉しいし。甘えたいときに甘えたらええよ」
正直、彼氏の母親という存在を本音ではAがどう思っているかは分からないけれど。
Aが頼りたい、甘えたいと思える場所が少しでもたくさんある方が、俺が安心できるというエゴは多少ある。
『ふふ。ありがとうございます。壱馬くんが温かい人なのは、お母様があんなにも温かい人だからなんですね』
壱馬「あそこまで強引じゃないけどな」
『ふふ。そう?そこもちょっと似てるかも?』
壱馬「ふふ。ウソやん、マジで?」
Aがここを心地良いと感じてくれているなら、いつでも頼ってくれていい。
壱馬「俺にも、遠慮なくこれからもたくさん甘えてな?」
『ふふ。はい』
そう返事したと思ったら、今度はぎゅっと俺を抱き締めるみたいにくっついてきて。
『お言葉に甘えて、早速……』
こんな行動はやっぱり珍しくて、この期間どれだけAのことを寂しくさせたんだろうと反省した。
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M a(プロフ) - riku推しさん» riku推しさん、お付き合い頂きまして本当にありがとうございました!幸せというお言葉、嬉しくてたまりません😳 引き続きお付き合いいただけると嬉しいです!riku推しさんの作品も楽しみにしています☺︎︎︎︎ (2023年1月5日 22時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» お久しぶりになってしまい、すみません!完結いたしました☺︎︎︎︎ いつもコメントありがとうございました!km0107さんの気遣い溢れるコメントにいつも励まされておりました。お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました! (2023年1月5日 22時) (レス) @page43 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
riku推し(プロフ) - Maさん🥺ステキな作品をありがとうございました!更新されるたび『あ!』ってなって、読んでる時間は幸せな時間でした!完結おめでとうございます!お忙しいとは思いますが体と相談しながら別の作品の更新を楽しみにしてます! (2022年12月26日 15時) (レス) @page44 id: 6429ca0a87 (このIDを非表示/違反報告)
km0107(プロフ) - こんばんは✨ そろそろ更新されてるかなと思ったら…お仕事忙しいようですね😅寒い日が続いてますので気をつけてくださいね☺️2人のお話も早く読みたいです😢 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 2f284eb8ed (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» それからまたしばらく空いてしまってすみません……!!いつも楽しみにして頂いてありがとうございます😭 思ったよりも時間が取れなくて自分でも驚いているほどなのですが、そのうち落ち着くかと思うのでもう暫しこのペースをご辛抱くださいませ😭 (2022年10月26日 23時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M a | 作成日時:2022年9月6日 11時