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壱馬「そういえばさ」
『はい』
壱馬「“そんな似合う素敵なものプレゼントしちゃう彼氏”のこと、どう思ってるん?」
布団の中でいつもの様にAと抱き合う様な体勢で横になりながら目を閉じるまでの時間。
首元で光るそれに触れながら、店で山彰さんが悪戯に聞いたその質問の答えをあの場でははぐらかしたAに、再度同じ質問を投げかける。
『ふふっ、秘密って言ったでしょ』
壱馬「本人にも?」
『本人は、聞かなくても分かってるって思ってました』
なんて言われちゃったら、聞けなくなってしまう。
壱馬「分かってるけどさぁ、言葉で聞きたい時もあるやん」
『壱馬くんとは違って、口下手なんです』
俺も負けじと結構な口下手やと思うけど、下手なりに自分なりの言葉で伝えようとはしているのに。
でも、そのむっとした顔が、少し尖らせた唇が可愛くて、その下唇を甘噛みするみたいに口付けた。
『……もう、そうやって私のこと甘やかして言わせようとしてるでしょ』
壱馬「そんなつもりないって。可愛い口してたから、ちゅーしたくなっちゃっただけやで?」
再び軽く重ねるだけのキスをする。
『……それで言いたくなっちゃう自分がゲンキンすぎる』
壱馬「ふふっ、言いたくなっちゃったんや?」
じゃあもっとしないと、って同じように触れるだけのキスを繰り返す。
すると、何回目かから避けられるようになって。
壱馬「んん?!」
『ふふっ』
何度顔を近づけても後ろに下がるように逃げるから、追いかけるように身を寄せていたら。
『待って、落ちちゃう。ふふ』
壱馬「逃げるからやん」
これ以上は落ちる、というところまで追い詰めて逃げられなくして、ようやく捕らえた柔らかい唇。
『ふふっ』
壱馬「勝った。ふふっ。ほら、こっち戻って来ぃ」
さっきまで逃げていたくせに、体を引き寄せると素直にくっついてくれる。
『ずっと思ってましたけど、さすがにシングルは狭すぎますね。もうちょっと大きいの買わなきゃ』
壱馬「お互い寝相いいからしんどいってわけじゃないけど、まぁ狭いよな」
今まではA一人に対して十分だったシングルベッド。
俺が来るようになってからは、狭いねなんて言いながらくっついて寝ていた。
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M a(プロフ) - riku推しさん» riku推しさん、お付き合い頂きまして本当にありがとうございました!幸せというお言葉、嬉しくてたまりません😳 引き続きお付き合いいただけると嬉しいです!riku推しさんの作品も楽しみにしています☺︎︎︎︎ (2023年1月5日 22時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» お久しぶりになってしまい、すみません!完結いたしました☺︎︎︎︎ いつもコメントありがとうございました!km0107さんの気遣い溢れるコメントにいつも励まされておりました。お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました! (2023年1月5日 22時) (レス) @page43 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
riku推し(プロフ) - Maさん🥺ステキな作品をありがとうございました!更新されるたび『あ!』ってなって、読んでる時間は幸せな時間でした!完結おめでとうございます!お忙しいとは思いますが体と相談しながら別の作品の更新を楽しみにしてます! (2022年12月26日 15時) (レス) @page44 id: 6429ca0a87 (このIDを非表示/違反報告)
km0107(プロフ) - こんばんは✨ そろそろ更新されてるかなと思ったら…お仕事忙しいようですね😅寒い日が続いてますので気をつけてくださいね☺️2人のお話も早く読みたいです😢 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 2f284eb8ed (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» それからまたしばらく空いてしまってすみません……!!いつも楽しみにして頂いてありがとうございます😭 思ったよりも時間が取れなくて自分でも驚いているほどなのですが、そのうち落ち着くかと思うのでもう暫しこのペースをご辛抱くださいませ😭 (2022年10月26日 23時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M a | 作成日時:2022年9月6日 11時