探してたもの、見つけたかもー２ー【藤原樹】

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樹side











北人「後で家行くからなー！」









樹「ふふっ、北ちゃんお疲れ」









北人「おい！先輩やぞ！」









ボーカルチームはこの後レコーディングらしく

パフォーマーチームだけこれで今日の仕事は終わり。









みんなにやれやれという目で見られながら

送迎車に乗り込んだ。









翔吾「んふふ、北ちゃんに話してなかったん？」









樹「はい。言ったつもりでいました」









翔吾「ほんまに後で家来たらどうするん？」









きっと、来ない。

ああ言うけど面倒くさがりだし、意外と気遣ってくれるし。









樹「入れません。追い返します」









翔吾「ふふっ、厳し！」









そんな先輩を舐めたような会話をしていたら自分の家の前。









翔吾「じゃあね。楽しんで」









樹「ありがとうございます。お疲れ様でした」









翔吾さん、他のメンバー、マネージャーに挨拶して

車を降りて部屋へ向かった。









こんなに自分の部屋が待ち遠しくなったのは

久しぶりにマースに会えるってなった遠征からの帰り以来だろうか。









樹「ただいまー」









部屋へ着き、オートロックの部屋の鍵をあけた後

リビングに聞こえるくらいの音量で声を掛ける。









けど。









正直、俺の声や扉の音を聞いたら

Aちゃんが玄関まで来てくれると思っていたけど、来ない。









気付いてない？寝てる？

それとも、そもそも出迎えに来るつもりはない？









先に洗面所で手洗いうがいを済ませてから

リビングへ向かうと。









『あ、樹さん！おかえりなさい。

すみません、玄関まで行きたかったんですけど……』









ソファーに座っていたAちゃんの太ももに

寛いで気持ち良さそうに眠るマースの姿が。









そういうことか。

起こせないよね、分かるよ。









樹「大丈夫。納得した」









Aちゃんの隣に座って

愛おしくもあり、今は少し憎くも感じるマースの頭を撫でる。









『ふふっ、おかえりなさい』









樹「ん、ただいま」









額にまずキスをして

少し物欲しそうな表情をした彼女の小さな唇に今度は口付ける。









『私もマースもいい子にして待ってました』









樹「ふふっ、ありがとう」









頭を撫でてあげると、嬉しそうに表情を崩した。











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