探してたもの、見つけたかもー２ー【藤原樹】

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Aside











喫茶店と家の間にある公園のベンチ。









告白をしてくれて、恋人になった、公園。









その後一緒に半分くらいは溶けちゃってたアイスを食べたりもしたなぁ。









実は思い出がたくさんある公園で

スマホを耳に当てて、そこから声が聞こえてくるのを待つ。









樹「“もしもし？”」









『もしもし。こんばんは。Aです』









樹「“こんばんは。お疲れ様。もうバイトは終わったの？”」









電話口だけれど

優しくてまったりした口調と低い声がようやく聞けて

それだけで、胸がきゅっとなる。









『はい。さっき終わって、今帰る途中にある公園にいるんです』









そう言うと、あーあそこか、なんて言った後。









樹「“一人でいるの？”」









『はい、一人です』









樹「“……女の子がこんな時間に一人でいるなんて、危ないよ”」









樹さんの声が早く聴きたくて、家まで待てなくて。









おいでって言ってもらえたら

すぐに樹さんのお家に向かえるように、と思って

この公園で連絡したけれど。









思ったよりも冷静で真剣な声での指摘に

舞い上がってしまっていた自分がなんだかみっともなくて。









『ごめんなさい……』









謝ることしか、出来なかった。

付き合う前にも夜道は気を付けてって言われてたのに

懲りずに夜油断しているわけだから……。









樹「“あ、いや、そうじゃなくて……。

怒ってるとかじゃないし、謝らせたいわけじゃないよ？

でも、心配じゃん。この時間だし、その道暗めだし”」









でも、私の思ったよりもヘコんで

下がってしまった声のトーンから察したのか

そんな風にフォローをしてくれた。









そんな樹さんの言葉を聞いて

純粋に心配させてしまっているし

これ以上謝ると逆に樹さんに変な気を遣わせてしまうと思って。









『心配かけてしまって、すみません。

だけど、言い訳をひとつ聞いてもらってもいいですか……？』









言い訳？と私の言葉に耳を傾けてくれた樹さんに

早く樹さんの声を聞きたくてつい、なんて言ったら。









樹「“ふふっ。そんなこと言われちゃったらほんとに怒れないじゃん”」









別に言い訳がなくても怒りはしないけどさ、と言葉を続けた樹さん。









『あと……もう一つ、公園で電話した理由があって』











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