探してたもの、見つけたかもー２ー【藤原樹】

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せっかくなら樹さんの顔も見たかったなぁ、なんて思ってたら

樹さんのお顔は見れないんですかー？なんて

生意気なメッセージを送ってしまっていて焦った。









慌てて、会いたくなっちゃうからダメ、なんて言ったけど

それはそれで会えないことへの不満を

遠回しに伝えてると思われたらどうしようって不安になる。









お互いのスマホを触れる時間がどうも合わなくて

メッセージが既読になることはないまま、休憩時間が終わった。









そのまま閉店まで働いて

マスターが作ってくれた美味しい昔ながらのナポリタンを

マスターと一緒に食べた。









食べ終わってスマホを確認してみたら

ピースをする樹さんの手の写真だけが送られてきていた。









顔は会いたくなっちゃうから

その代わりに送ってくれたのが手なのかな？









綺麗な手。

この手が、私のことをいつも優しく撫でてくれるんだよね。









あーあ。樹さん。









手の写真でも、会いたくて会いたくて仕方がなくなっちゃいましたよ。









マスター「ふふっ。今から藤原くんに会いに行くの？」









『えっ、いや、行かないです……』









マスター「なんだ。そうなんだ」









なんで急にそんなこと聞いてきたんだろうと思ったけど。









マスター「ケータイの画面見て、恋する女の子の顔してたから。

てっきり今から藤原くんに会えるからなのかと思っちゃった」









恋する女の子って……。

私、樹さんの手の写真を眺めてただけで、そんな顔に……？









マスター「ここ最近忙しくて会えてないんでしょう？」









『そうなんです……』









マスター「藤原くん、Aちゃんに

会いたいって言われたら嬉しいと思うよ」









本当に、そうかな？

迷惑だったり、無理やり都合合わせさせちゃったりしないかな？









マスター「だって、もし今藤原くんから

会いたいって連絡来たら、Aちゃん嬉しくない？」









そう言われて、想像してみた。

樹さんから、Aちゃんに会いたいって言われるところ。









『んふ。嬉しくて、飛び跳ねちゃいそうです』









マスター「ふふっ。藤原くんは飛び跳ねないかもしれないけど

でもきっと、嬉しいと思うよ」









そう、だと嬉しいな。

会いたい、って言ってみようかな。









『連絡、してみます』











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