探してたもの、見つけたかもー２ー【藤原樹】

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樹side











起きてしまったものは仕方ない。

コーヒーメーカーのスイッチを入れて、顔を洗って。









マースのご飯はもう少し後にしたいんだけどなぁ、なんて考えてたら。









樹「あれ？マースもう来た」









さっきAちゃんの腕で落ち着いていたマースが

気付けば俺の後を追ってリビングに来ていた。









樹「マース。Aちゃん置いてきたの？」









Aちゃん拗ねちゃうよ？

ご飯に負けたーって。









ていうか、マースが来たのにAちゃん来ないな？









樹「マース。Aちゃんの様子見に行こっか」









抱きかかえると大人しくしているから

そのまま２人で寝室の様子を見に行くと。









樹「ふふ。起こすの早過ぎたね、マース。もう少し寝かせてあげよ」









起きた時より、少し内側。

俺が寝ていた方にズレて二度寝をしていた。









部屋に戻るとコーヒーが出来上がっていて。

少しゆっくりしてから、仕事に向けての準備を始めた。









身なりがおおよそ整った頃。

迎えが来る時間まで20分くらいか。









待ちに待ったご飯を食べて大人しくしているマースを残して

もう一度寝室に向かって、彼女の様子を見に行く。









まるで猫みたいに丸まって寝ているのが布団の形で分かる。









顔が見える方に回り込んで、その寝顔を見つめる。









樹「ふふっ」









思わず頬が緩んでしまうほど、かわいい寝姿と寝顔。

起こすのは可哀想だけれど

出掛ける前に声は掛けておきたいし、起こしてとも言われたし。









樹「Aちゃん？起きれる？」









頭を撫でながら声を掛けると

モゾモゾと動きながら、ゆっくり目を開ける。









『あれ……いつきさん、だ』









樹「うん。おはよ。俺もうそろそろ出る時間だから、起こしてみた」









『もうそんな時間……。おきます、』









朝は強くない、と言っていたその通り

開ききらない目と覇気のない動きでゆっくり体を起こした。









『ふふ。おはようございます。今日もイケメンですね』









樹「ふふ。ありがとうございます。

Aちゃんも、寝起きでもかわいいですね」









『思わず嬉しくなっちゃうお世辞をありがとうございます』









目を擦りながら真に受けてない様子でそう言う。

本当に可愛くて仕方がないなぁって思ってるんだけどな。











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