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樹side
自分の家のリビング。
目の前には、気まずそうに微笑んでいる明日香。
その奥には空気を読んで端にいるマースが見える。
樹「わざわざ来てもらってごめん」
明日香「ううん。全然……」
あまりに重い空気。
そんな中本題に入ったのは、明日香からだった。
明日香「私、もう、樹の彼女ではいられないの？」
樹「……ごめん」
明日香「私、何がダメだったかな……」
涙を溜めた目で俺に問いかける。
ここで優しい言葉を掛けたって、中途半端になるだけだ。
そう思い、端的に、正直に、自分の気持ちを伝えた。
初めから特別な感情は無いまま付き合ったこと。
そのまま明日香に対して、恋愛的な感情は芽生えなかったこと。
明日香がいる時間をしんどいと思うようになってしまったこと。
樹「だから、ごめん。もう終わりにしたい。別れてほしい」
はっきりと目を見て伝えると、
その切れ長な目から、ついに涙が零れ落ちた。
それでも、俺の感情は動かなかった。
明日香「……私は、樹が好きで、一緒にいられるのが、幸せで……」
樹「ごめん。俺は、一緒にいたいとはもう思えない」
よく“樹はクールだよね”なんて言われるけど
こんなセリフを淡々と泣いている女の人に言えてしまう俺は
クールどころか冷徹なんだろう。
樹「明日香のことを大切にして幸せにしてくれる人が
この先絶対いるから。でもそれは、俺じゃない」
明日香「……こんなに私って、樹に愛されてなかったんだ」
自嘲的な笑みを浮かべてそう言う明日香。
明日香「それでも、一緒にいてくれてありがとう。
……足掻いても、もうどうにもならないって、わかった。別れよう」
渡していた合鍵を、明日香はそっとテーブルに置いた。
明日香「じゃあね。お仕事、これからも頑張って」
樹「明日香も」
最後に微笑んだ明日香のその笑みは素直に綺麗だと思った。
見送ることなく、玄関の扉が閉まる音をリビングから聞いた。
終わった。ちゃんと。
明日香に情が無いわけじゃない。
けれど今は、ホッとした、安心したという気持ちが一番だった。
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M a(プロフ) - Megさん» 優しさに優しさを加えた餡を樹くんという皮で包んでみました♡(笑) えー！ぜひ書いてください〜！読みたいです〜！(ちなみに以前書かれていた樹くんのお話何度も読んでます😳) これからも癒しでいられるよう頑張ります！ (2022年9月14日 19時) (
レス) @page41 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - 樹くん優しすぎません？✨こんな優しい樹くん作品を見ると、私も樹くんを書きたくなっちゃうじゃないですかっ！笑 ほんとこの作品癒しです☺️これからもご自身のペースで更新頑張ってください♪ (2022年9月14日 16時) (レス) @page42 id: cd0d8bd3ad (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - 結香さん» こんにちは。コメントありがとうございます！ まだまだ物語は始まったばかりですね……楽しんで頂けるようにがんばります😳 (2022年7月30日 16時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
結香(プロフ) - Maさんこんにちは😊続き凄く気になります。 (2022年7月29日 15時) (レス) id: 653a4da4cd (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - Megさん» わぁ、ありがとうございます！！！感激です！ そんなそんな、なるべく分かりやすい表現をとは心掛けているのですが、そう言って頂けてうれしいです😭 引き続きよろしくお願い致します😳 (2022年7月29日 9時) (レス) @page6 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M a
| 作成日時：2022年7月12日 15時
