３９ ページ39
Aside
樹「おかえり。お疲れ様」
そう言ってバイト終わりの私を労ってくれたのは、恋人の樹さん。
告白の日からちゃんと会えたのは今日が初めて。
樹さんに会えたのが、久しぶりだった。
『来てくれてありがとうございます』
樹「いーえ。一緒に行った方が分かりやすいし」
講義が終わってスマホを覗いたら
樹さんから家に来ないかとお誘いのメッセージが入っていたときは
一緒にいた友達を驚かせてしまうほど、大きな声が出てしまった。
緊張とか、心の準備とか、泊まるのかな、とか
今日着てる下着とか、ムダ毛の処理とか
色々考えてしまうことはあったけれど
気付けば《行きたいです》と返事をしていた。
バイト中もマスターに、今日何かいい事あった？と聞かれるほど
私は樹さんからのお誘いが嬉しかったみたい。
そんな彼がバイト先までわざわざ迎えに来てくれたなんて
私の嬉しいという感情に拍車がかかる。
樹「仕事終わりついでに寄ったから、タクシーに待ってもらってる」
樹さんと歩き出して、大きな通りに出ると
路肩に停まってくれていたタクシーに２人で乗り込んだ。
そして樹さんが運転手さんに告げたのは私の家の住所。
樹「要るものあるでしょ？急だったし。寄るから取っておいで」
やっぱり今日はお泊まりになるんですね、と思ったのと
些細なことにも気を回してくれた優しさにきゅんとした。
ほどなくして自宅に着いたタクシー。
すぐ戻ります、と樹さんと運転手さん二人に声を掛けて
急いで荷物の支度をした。
『お待たせしました』
樹「大丈夫そう？」
『はい。足りないものがあったら、樹さん貸してください』
うん、と微笑みながら返事してくれ
タクシーは次こそ樹さんの家に向かって走り出した。
友達の家に行くのとは全く違う感覚。
見慣れているはずなのに一段とキラキラと眩しく感じる
街灯やビルの光を眺める。
意識が外に逸れていると
無防備になっていた私の右手が樹さんに握られた。
思わず樹さんを見ると、ん？と何食わぬ顔をされたから
なんでもない、と伝わるように首を横に振って答えた。
樹「もうすぐだよ」
その言葉に、ワクワクと緊張が同時に押し寄せてきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1079人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M a(プロフ) - Megさん» 優しさに優しさを加えた餡を樹くんという皮で包んでみました♡(笑) えー！ぜひ書いてください〜！読みたいです〜！(ちなみに以前書かれていた樹くんのお話何度も読んでます😳) これからも癒しでいられるよう頑張ります！ (2022年9月14日 19時) (
レス) @page41 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - 樹くん優しすぎません？✨こんな優しい樹くん作品を見ると、私も樹くんを書きたくなっちゃうじゃないですかっ！笑 ほんとこの作品癒しです☺️これからもご自身のペースで更新頑張ってください♪ (2022年9月14日 16時) (レス) @page42 id: cd0d8bd3ad (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - 結香さん» こんにちは。コメントありがとうございます！ まだまだ物語は始まったばかりですね……楽しんで頂けるようにがんばります😳 (2022年7月30日 16時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
結香(プロフ) - Maさんこんにちは😊続き凄く気になります。 (2022年7月29日 15時) (レス) id: 653a4da4cd (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - Megさん» わぁ、ありがとうございます！！！感激です！ そんなそんな、なるべく分かりやすい表現をとは心掛けているのですが、そう言って頂けてうれしいです😭 引き続きよろしくお願い致します😳 (2022年7月29日 9時) (レス) @page6 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M a
| 作成日時：2022年7月12日 15時
