１９８ ページ48
Aside
ささ、上がって〜！とお母様に誘われるままに家に上がったけど、隣を歩く壱馬くんが喋らなくなってしまって。
帰らないでと引き止められたものの、お母さんとこんな風に会うのは嫌だったよなぁ……と少し反省しながら、お母様の後をついていく。
母「Aちゃん何飲む？」
『あ、いえ、お構いなく！』
そんなこと言わないで〜じゃあ、お茶ね？なんて完全にお母様のペース。
一緒にリビングに来て隣には座っているけれど、やっぱり未だ何も喋らない壱馬くん。
『壱馬くん、ごめんね。お母様がいることとか考えずに急に来ちゃって……』
きっと壱馬くんの頭の中で思い描いてたタイミングだったりがあっただろうに……。
壱馬「ん？ううん。来てくれたの嬉しいし、オカンに紹介できたのも嬉しいで？けどさ、」
そう言いながら私の右手を掬い取り、自分の手と絡めると。
壱馬「俺も久しぶりに会ったんやから、俺だってAとゆっくり喋りたいのに……」
なんて拗ねたように話す壱馬くん。
お母さんのことも大切にする壱馬くんだからこその、今のこの状況に対する小さな不満。
『……ふふ』
壱馬「……笑わんといてや」
『ふふ。ごめんなさい。でも、可愛いなって思っちゃって』
口数が減った壱馬くんに不安な気持ちがあったはずなのに、たったの一言でそれがこんなにも愛おしい気持ちになってしまった。
壱馬「……Aは、違うん？」
それなのに、そんなこと聞いてくるなんて、ずるい。
『……ううん。私も壱馬くんとゆっくり話したいです。だけど、お母様も大事でしょ？』
壱馬「……ん」
だから、今は私も壱馬くんも、二人の時間は我慢。
母「そうそう。Aちゃん、お店やってるんやってね」
『はい、そうなんです。小さなお店なんですけど、のんびりとやらせてもらってます』
お茶を持ってきてくれたお母様にお礼を言って、そのまま世間話を始めると。
壱馬「俺先に風呂入ってきちゃうわ」
そう言いソファーに沈めていた体を起こした壱馬くん。
壱馬「後でゆっくりできるように、今のうちに済ませるわ」
私だけに聞こえるように、ぼそっとそう言った。
お母さんに内緒の、二人の秘密のように感じて、すごくドキドキした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 958人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M a(プロフ) - km0107さん» いつもありがとうございます。続けてしまいました……😳 お気遣いもありがとうございます。km0107さんもお気を付けて健やかにお過ごしください💫 (2022年9月6日 20時) (
レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
km0107(プロフ) - 移行おめでとうございます。もちろん、二人のお話まだまだ読みたいです❤️まだまだ暑いですが、体調お気をつけ下さい🙇 (2022年9月6日 11時) (レス) @page50 id: 2f284eb8ed (このIDを非表示/違反報告)
riku推し(プロフ) - M aさん» え😳いつもありがとうございます😳😳Maさんに読んでいただけてるなんて、ものすごく嬉しいです！こちらこそ、今後もお付き合いよろしくお願いします♡ (2022年8月30日 15時) (レス) id: 6429ca0a87 (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» いつもいつも、待っていてくださりありがとうございます！ご期待に応えられるよう、がんばります❤️🔥 (2022年8月30日 14時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - riku推しさん» はじめまして！ありがとうございます。私もいつも、riku推し様の作品楽しく読ませて頂いております😳 そう言っていただけてありがたいです。壱馬くんもありがとう…！ 引き続きマイペースに更新させてもらいます。ぜひ今後もお付き合いお願いします♡ (2022年8月30日 14時) (レス) @page43 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M a
| 作成日時：2022年7月12日 12時
