１８２ ページ32
.
そわそわしながら、一人で立つ廊下の隅。
あの後スタッフさんに声を掛けられ、関係者のみ許された通路を歩いた。
愛子はまた裏方仕事見れるよう頼んでおいで！なんて言いながら、近くまで彼氏さんが迎えに来ているらしくあっさりと帰っていった。
ここでお待ちくださいと言われ待っているものの、終演後の舞台裏は想像以上に慌ただしく、本当にこんな中に私に時間を割かせてしまっていいのだろうか、と不安になっていたその時。
健太「A」
『わ、健太くん！お疲れ様！』
見知った顔が近付いてきて、心細かったのが少し和らぐ。
健太「今、みんなケアとかしてるからもうちょっと待ってて。そのうちマネージャーが迎えに来るから」
『ありがとう。健太くん、かっこよかったよ』
健太「気付くの遅。それに一番かっこよかったのは俺じゃないでしょ」
ニヤニヤしながらつついてくる。
『健太くんには言わない。ほら、まだ健太くんもしないといけないことあるでしょ？』
そう言うと、うん、じゃあね、とこれまたあっさり戻っていった。
それから少ししてマネージャーさんが迎えに来てくれて、後ろを着いて歩いた。
手土産、これでよかったかな。周りのスタッフさんに変に思われていないかな。部屋に辿り着くまでにたくさんのことを考えて、頭の中がいっぱいいっぱいになっていた。
「少ししたら、中から声掛けるのでここでお待ちください」
『分かりました。お手数お掛けしてすみません』
「いえ。川村のこと、これからもよろしくお願いします」
まさか、そんな風に言ってもらえると思っていなかったから、驚いたけれど嬉しかった。
私をこうして受け入れてくれるのは、きっと彼への信頼があるが故なんだと思う。
そんな彼の存在に泥を塗らないようにしないとな、と挨拶までに改めて覚悟と気合いが入った。
そして間もなく、“そろそろです”と中からマネージャーさんが出てきたと思ったら。
壱馬「A。来てくれてありがとう」
しばらくぶりの彼が中から姿を現した。
『お疲れ様でした。すごく楽しかったです』
よかった、といつもの優しい笑顔で頭を撫でてくれ緊張が解れていく。
壱馬「詳しい話はあとでゆっくりな。……いける？」
『……うん』
いよいよ、その時がきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 958人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M a(プロフ) - km0107さん» いつもありがとうございます。続けてしまいました……😳 お気遣いもありがとうございます。km0107さんもお気を付けて健やかにお過ごしください💫 (2022年9月6日 20時) (
レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
km0107(プロフ) - 移行おめでとうございます。もちろん、二人のお話まだまだ読みたいです❤️まだまだ暑いですが、体調お気をつけ下さい🙇 (2022年9月6日 11時) (レス) @page50 id: 2f284eb8ed (このIDを非表示/違反報告)
riku推し(プロフ) - M aさん» え😳いつもありがとうございます😳😳Maさんに読んでいただけてるなんて、ものすごく嬉しいです！こちらこそ、今後もお付き合いよろしくお願いします♡ (2022年8月30日 15時) (レス) id: 6429ca0a87 (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» いつもいつも、待っていてくださりありがとうございます！ご期待に応えられるよう、がんばります❤️🔥 (2022年8月30日 14時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - riku推しさん» はじめまして！ありがとうございます。私もいつも、riku推し様の作品楽しく読ませて頂いております😳 そう言っていただけてありがたいです。壱馬くんもありがとう…！ 引き続きマイペースに更新させてもらいます。ぜひ今後もお付き合いお願いします♡ (2022年8月30日 14時) (レス) @page43 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M a
| 作成日時：2022年7月12日 12時
