バスの中で ページ24
マジックショーのホールに向かうために俺はバスに乗っていた。
聞き覚えのある地名を名乗るバス停に留まると、そこで二人の子供が乗ってきた。
子供を乗せたバスがすぐに出発したせいで、席に着いてない子供のうち、女の子一人がふらりとよろける。
「きゃっ」
俺の席の真横で前のめりによろけた女の子を腕を伸ばして受け止め、腕を引いて起こした。
女の子の小さな悲鳴を聞いたもう一人の子供、男の子が振り返って気付いたのか、女の子に声をかける。
「何やってんだよ。気をつけろよな、“蘭”」
「ごめんね、新一!
ありがとうございます、おにいさん」
「気を付けてな」
俺は振り返って男の子の顔を見た。
男の子と目があったが、たしかに、男の子は俺の知る“彼”だった。
あー、眼鏡が足りない気がしてしまう。
しかしまぁ、その姿が見られるのはあと8年は後だ。
二人はまた途中で降りて行き、俺は思考の行き先がなくなってしまった。
目的地は終点近いのだし、と思い寝ようかとうつらうつらとし始めた時にタイミング悪くメールが来た。
メールはアイリッシュから。
曰く、会わせたい奴人がいる。出来るだけ早くアメリカに帰って来い。相手はラムに通じる人間だ。
とのことだ。
会わせたい奴ねぇ……、誰だろうなァ?
俺は了承のメールを送り返してから暫しの眠りについた。
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マッキー(プロフ) - お気に入り登録しました!更新待ってます! (2019年4月27日 6時) (レス) id: 0346650c4f (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみに待ってます(*´∀`) (2019年3月29日 13時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
夢幻(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張って下さいね! (2018年3月5日 19時) (レス) id: 2f87727d18 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 面白かったです!次も楽しみです♪ (2017年12月12日 22時) (レス) id: e42c5e5445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がまぐち | 作成日時:2017年9月9日 15時