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黒羽盗一 ページ11

マジックショーはただ順調に披露されていった。
そして、マジックショーの最中、シャロンは俺に一つ提案をした。

「ショーが終わったら、マジシャンに挨拶をしに行くのだけど……、来る?」

そしてその提案に、俺は是非と答えたのだ。


「やぁ、シャロン。見に来てくれたのか。この後ニューヨークでもショーをするのに、オタワまで来てくれるとは。
そちらのお連れ様は?ボーイフレンドかい?」

「久しぶりね師匠。彼は偶然隣の席に座っただけよ」

シャロンがそう返すと、師匠、黒羽盗一は目を丸くした。

「隣の席に、座っただけ…?」

「蜜月Aです。よろしくお願いしますね、黒羽盗一氏」

俺が英語ではなく日本語でそう名乗ると、黒羽盗一はさらに驚いた顔をした。

「日本人かい?黒髪ではあるけど、彫りが深いからまさか日本人とは…」

「まぁ、ハーフですよ。今時欧米でも黒髪なんて珍しくもないですしね」

黒羽盗一は納得したように一つ頷くと、もう一度シャロンに向き直した。

「で、彼を連れてきた本当の理由は?ただ隣に座っていただけで連れて来るわけがないだろう」

シャロンは俺をチラリと見ると、黒羽盗一に微笑み語ってみせた。

「彼は、私が貴方に師を仰いだ理由よ」

「どういう意味だい?」

「彼は変装術を使えるのよ。私が幼い頃にその変装術で助けてくれた」

黒羽盗一は演技がかった風に眉をピクリと動かした。

「シャロン、我ながら君とは長い付き合いだと自負しているが、君の幼い頃なんて彼はもっともっと幼いだろう?それが変装術を持っていると?」

「そうよ、この姿から寸分違わぬ姿で私を助けてくれた」

「!……ほぅ、つまりこの姿も変装であるか」

黒羽盗一は不躾とも取れるほど熱心に俺の姿を眺め始めた。

「まさか変装だとは思わなかった。何処にもボロはない。完璧だ。恐れ入る」

そりゃ素顔だからな。
しかし、変装の達人は変装かそうでないかも見抜けるか。実際に俺が変装したらどこまで通じるか、試してみたくもある。

Need not to know→←ショー直前の歓談



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マッキー(プロフ) - お気に入り登録しました!更新待ってます! (2019年4月27日 6時) (レス) id: 0346650c4f (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみに待ってます(*´∀`) (2019年3月29日 13時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
夢幻(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張って下さいね! (2018年3月5日 19時) (レス) id: 2f87727d18 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 面白かったです!次も楽しみです♪ (2017年12月12日 22時) (レス) id: e42c5e5445 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:がまぐち | 作成日時:2017年9月9日 15時

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