始まりのとき ページ1
今日の授業も終わった。
勉強嫌いな私にとって、学校というものはただただ退屈なものだった。
だって英単語は覚えられないし、数学は何をいってるのかさえ理解できない。
でも、現代文はちょっと好きかな。だって偉大な文豪達に出会わせてくれたから。
だから、私にはその退屈な時間を過ごした後のご褒美がある。
家路の途中、あのお店「うずまき」に寄って行くことだ。
今までの重い気持ちが嘘のように足取りが軽い。
カランコロンー。
私がドアを開けると、小さな喫茶店も兼ねた古ぼけた古書店に、くたびれた鐘の音と心地好い澄んだ声が私のなかに染み入ってくる。
？？？「いらっしゃい、ゆうちゃん。今日もまた来たね。」
澄んだ声の持ち主、太宰治さんだ。
この店の店主さん。
笑顔がいつも絶えない。
皮肉ではなく、とても可愛らしく、つい私もつられて笑顔になってしまう。
でも、いつも袖からちょっと見える包帯は、一体何なのだろう？
そうでなくとも、色々と不思議が一杯な人だ。
ゆう「こんにちは、治さん。またお邪魔しに来ました。」
？？？「本当にお邪魔だからなぁ、ゆうは。」
いつもどおりガラガラな店内から、いつもどおりの声が聞こえた。
いつもの先客がいたようだ。
中原中也さん、治さんの親友で、いつも黒い帽子を被っている。
小柄な青年で、大のお酒好き、特にワイン好き。
以前、お店で呑んでいて酔っ払っていた。
それほど強くはないみたいだ。
ゆう「こんにちは、中也さん。
呼び捨ては辞めて下さいっていってるでしょ？！
で、そんなことないですよね、治さん？」
治「あ、そ、そうだよ、中也。
ゆうちゃんはうちの大事なお客様なんだから。」
少々声に詰まりながらも、笑顔を絶やさず答える治さん。
中也「だから、太宰はいつも美人な娘には甘いんだから。」
ゆう「美人？」
特定のキーワードに、過敏に私は反応する。
中也「ゴメン、訂正するわ。
太宰は女ならジャリガキでも、誰でも甘いんだからな。」
何故か少し顔を赤らめて、軽く頭をかきむしりながら、悪態をつく中也さん。
ゆう「そんな事ないですよねー、治さん？」
治「あ、あー、そうだね。
ゆうちゃん一緒に心中しようか？」
ゆう「そんな事言って、治さん。
また冗談。」
笑いながら、私はいつもどおりの質問に、いつもどおりに答える。
いつもの同じ流れで、いつもの会話。
こんな時間が永遠に続けばいいのに。
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ゆう(プロフ) - すいません。まだよくわからずで(>_<)すぐ変更します。ご指摘ありがとうございます(。>д<) (2017年11月13日 13時) (
レス) id: ed94087fa0 (このIDを非表示/違反報告)
ドリー(プロフ) - オリジナルフラグ外してないよ！ (2017年11月13日 13時) (レス) id: 5e3261a1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2017年11月13日 11時
