19km/h ページ21
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《──みんな大注目!
真空超電導リニアです!》
流れてきたニュースに耳を傾ける。
今回の被害を被るのはこの子なんだろうなぁ、としみじみ思う。
今回の被害総額検証班は幾らだと予測したんだろう・・・
《まさに異次元の速さですね》
《そしてスピードは拳銃の弾丸の速度に匹敵するため、世界では通称
ふーん、"異次元"に"
当てはまる人がこの家いますぜ、うへへ
「・・・乗るんですか?」
「ヘエ!?」
「表情がとても楽しそうでしたので」
いや、それはなんと言いますか・・・
と声に出せないのでほっぺをむにむにして、上がっていたであろう口角を解す。
特に意味は無いの分かっててもしたくなる
「えっと、お電話は終わったんですか?」
「ええ、途中でお腹が鳴るかと思いましたよ」
・・・せやった、この人にクッション投げつけたあと、お電話が来たからこっちに逃げてきてたんだった。
「赤井さんのお腹が鳴ったら和むと思いますよ」
「・・・今は許しますが、次は無いですよ」
片目開眼で注意された。こっっわ!
しょうがないじゃん、あたしの中ではずっと"赤井さん"呼びだったんだから・・・
「聞いてますか?」
「はい、気を付けます」
心読まないで怖いから
ついてくるよう言われたので後を追うと、キッチンに行き着き、美味しそうなビーフシチューが机に並んでいた。
「・・・用意周到かよ!!」
「隣に出かけてから暇でしたので」
「じゃあ一緒に行っても良かったじゃないですか」
先にいただきますしてから食べる。
怒ってる表現が完全に子供だけど、お腹が空いているのも事実!
この人ビーフシチューの天才だと思うの・・・
「この事件について心当たりは?」
「・・・残念ながら知らないです。
なのでお二人の意見はどうなったのか聞きたいです」
劇場版だということを伝えようか一瞬悩んだけど、確証は無いのでやめた。
ひっそりとメタ推理しながら展開を楽しもうと思う。
「・・・リニアには乗られるのですか?」
「だからキャッチボール・・・」
察し良くないんだから、ちゃんと会話をしてくれないと理解できないの・・・
きちんとした説明を求めているため無言のあたし。
そして、乗るか乗らないかの返事を待っているため無言の昴さん。
食器の音だけが聞こえる空間つら
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年4月23日 15時) (レス) @page34 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - めっちゃ面白かったです!これからも更新楽しみにしてます! (2021年11月14日 7時) (レス) id: 909490fd58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたみや遥 | 作成日時:2021年8月8日 0時