ワケあり彼氏。

10：放課後 ページ11

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隆「…名前」


名前「…隆弘くん、何？」


隆「…千晃の事を話そうと思って。」









放課後になり、すぐに言われた言葉


向かい合わせで座り、隆弘くんが


真剣な目つきで静かに言った。









隆「…千晃、余命1年なんだ。」


名前「………えっ、」


隆「小さい頃から体も弱くて
入退院の繰り返しで、俺が世話をしていた。」


名前「だから、一緒に帰れたり
できなかったんだね…。」









次の言葉はもう予想できてるよ。


私だって、それほどバカじゃない









隆「…名前」


名前「…ん？」









やだ


その先の言葉を言わないで


でも、神様はいじわるだ。









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隆「少し、距離を置かせて。」


名前「………………」


隆「野外活動もあるのに、ごめん。
千晃がいなくなる前に見せたい景色を
見せてあげたい。」


名前「…千晃ちゃんに見せてあげて。
私は、大丈夫だから。」


隆「…ごめん。」









隆弘くんのポケットに入っていた


携帯が振動した後


隆弘くんはまた '' ごめん。 '' と言って


教室を出て行ってしまった。









真「ようやく邪魔者がいなくなった。」


名前「真司郎………っ！」

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