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五歩 ページ7

藤の花の家が見えてきた

先程よりだいぶ痛みが増してきた肩を押さえながら

歩く

ふと気づいた、純恋の歩くペースが遅くなっている

振り返って彼女を見てみると顔を青くしてふらふら

と歩いていた


「大丈夫?」


僕の声が聞こえると肩をビクッとさせた


「うん、大丈夫だよ。ありがとう」


嘘つけ、

大丈夫なわけが無い

恐らく血の流しすぎだろう、あらゆる切り傷から

純恋の血がどくどくと流れている

見ているだけで痛々しい


「嘘はつかなくていいよ。無理しないで」


そう言うと純恋は顔をくしゃっ、と歪めた


「無理して欲しくないのは私もよ…」


「え?何か言った?」


「ううん、なんでもない。ほら藤の花の家見えてきたね」


明らかに何か言っていたが聞こえなかった

ふ、と顔を上げると見慣れた藤の花の家


「こんにちは。鬼狩り様。」


若い夫婦が出迎えてくれた

僕が挨拶もせずにさっさと入ろうとすると

袖をぐい、と掴まれた


「こんにちは、いつもありがとうございます。」


純恋は丁寧に挨拶をした

別にそんなことしなくても…、とは思ったが

彼女が挨拶されたなら返さないと失礼でしょ?

と言ったので仕方なく


「…………こんにちは…」


と挨拶してみた、何だかむず痒かった

ふと頭にぽんと手が乗った


「よく出来ました、偉いねぇ」


びっくりした

純恋が大事な人を想う様な目で僕を見ていたから


「え、あ………」

と僕が戸惑っていると


「あ、ごめんね!今日会ったばかりの人にこんなことされたら嫌だよね……」


嫌ではなかった

その事を彼女に伝えたかったけど

さっきのことで何故か心臓がどきどきして

得体の知れない高揚感があって

自分でもよく分からないまま


彼女に、純恋に、抱きついた

終わり ログインすれば
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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:恋愛
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みっきー(プロフ) - 面白いです!!応援してます、更新頑張ってください! (2019年9月5日 18時) (レス) id: fa78fdeac4 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - むいくん可愛いし、格好良いよね! 応援してます!! (2019年9月2日 18時) (レス) id: 67aafb287e (このIDを非表示/違反報告)
雫sizu(プロフ) - とっても面白いです!これからも応援してます!! (2019年8月31日 22時) (レス) id: cbafce1e69 (このIDを非表示/違反報告)
雨月064五月病(プロフ) - 頑張ってください! (2019年8月31日 21時) (レス) id: 6e8965f00b (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月31日 21時) (レス) id: a40c23ffb4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月31日 21時

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