第1話『通り魔』 ページ6
彩side
近頃、女子中学生だけを狙った通り魔事件が連続して起こっていた。
この1ヶ月で被害に遭った女子中学生は5人。
被害は人によって違うが、すれ違いざまに刃物で刺されたとか、後をつけられていると感じて逃げたら追いかけられたとか、急に抱きつかれて体を触られたなんてことも聞いた。
何にせよ、あまりに物騒で、うちのクラスの女子もみんな脅えている。
いつ、自分が被害に遭うか分からないんだもの。
終礼時に、薫先生も注意喚起をしていた。
「皆さんも知っていると思いますが、通り魔に襲われるという事件が多発しています。被害者は、全員女子中学生です。登下校時は、なるべく1人にならないようにしてください」
クラスの男子が声を上げる。
「なんで狙われてるの、全員女子中学生なんだろうな。普通、女子高生とかの方が狙われそうだけど」
確かにそうだ。
高校生の方が中学生よりも体だって発達してるし、大人っぽくて魅力的に思える。
これって、私たちがまだ子供っぽいからなのかな？
薫先生は、困ったように答えた。
「世の中には、未完成なものほど美しいと思う人がいます。それと同じで、その未完成なものを壊したいと思う人だっているんです」
未完成なものほど美しくて、壊したいと思う？
私には、全く分からない。
美的感覚が完全に違うのかもなぁ。
「それってつまり、ロリコンじゃね？」
一人の男子がそう呟くと、薫先生は苦笑する。
「ロリコンとは、少し違うかもしれません。ロリコンは、簡単に言うと少女や幼女が好きな人のことをさします。でも、通り魔は平気で女子中学生を傷つけようとするので、好きというよりは、憎しみの方が気持ち的には正しいかもしれません」
先生はそう言いながら教室を見回し、机に伏せて眠っている杏奈ちゃんに目を留めた。
「神崎さん」
名指しされ、杏奈ちゃんはビクッとして身を起こす。
杏奈ちゃんが居眠りなんて、珍しい。
「私の話、ちゃんと聞いてましたか？」
杏奈ちゃんはまだ眠そうに目をこする。
「それはロリコンの話ですか？それとも一人で帰るなって話ですか？」
「どちらも聞いてて欲しいけど、この場合は後者です。」
杏奈ちゃんはあくびをこぼす。
本当に眠たそうだ。昨日、夜更かしでもしてたのかな。
「でも、杏奈はマジで気をつけた方がいいんじゃない？」
杏奈ちゃんと仲のいい女子が言った。
「だって杏奈って、不審者に好かれやすいじゃん」
え！そうなの！？
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澪(プロフ) - ゆたんぽ。さん» えー！嬉しすぎます！ありがとうございます！ (2022年4月19日 17時) (
レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ。(プロフ) - 初コメ失礼します。いや、面白すぎませんか？更新楽しみにしてます！ (2022年4月19日 15時) (レス) id: 00d669ff5e (このIDを非表示/違反報告)
@白猫雪(プロフ) - 澪さん» いえいえ！本編も、オリジナルも、楽しみにしてるのっ！ (2022年4月16日 20時) (レス) id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - @白猫雪さん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！これからも頑張って更新するので、よろしくお願いします！ (2022年4月15日 23時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
@白猫雪(プロフ) - 更新楽しみ〜！KZのオリジナルめっちゃ好き！澪ちゃんも、更新頑張ってね！ (2022年4月15日 21時) (レス) @page50 id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年10月26日 22時
