第27話『選択』 ページ33
彩side
私は翼の顔を覗き込む。
「嫌な予感って？」
翼は片目を細める。
「杏奈ってさ、既読も返信もすっごく早いんだ。たぶん、相手に嫌な思いをさせないようにって、杏奈なりに気を使って、自然とそうしてるんだと思う」
へぇ、そうなんだ。
たしかに、返信が早いと助かるもんね。
「なのに、みんなから連絡が来ても一切無視、既読すら付けないなんて普通じゃない」
翼は、苛立たしげに表情をゆがめる。
「なにより、杏奈がKZの活動を無断で欠席するなんて、ありえないでしょ」
心の底から杏奈ちゃんを心配しているのが、ヒシヒシと伝わってくる。
すると、まだ帰っていなかった上杉くんが、話に加わってくる。
「その事なんだけど、」
上杉くんは眼鏡の中央を中指で押し上げる。
「木曜日の夜以降、神崎と一切連絡がついてないんだ」
木曜日の夜から！？
「何度電話しても、全然ダメ。」
私たちの間に、沈黙が広がる。
それって、かなりまずいんじゃないの・・・？
「これって、事件だったりするのかな？」
私が聞くと、翼は肩をすくめた。
「それは、明日杏奈が来るかどうかによるかもね」
上杉くんは、瞳の奥を暗くする。
「俺、心配だよ」
上杉くんが、こんなふうに感情を口にするのは珍しかった。
「もしかしたら、選択を間違えた気がするんだ」
選択？
言葉の意味がよくわからず、私と翼は首を傾げる。
上杉くん、どうしたんだろう。
杏奈ちゃんと何かあったのかな。
上杉くんは時計を見る。
「時間、そろそろヤバいな。」
わ、ほんとだ！
私は翼に目を向ける。
「私、授業終わりに杏奈ちゃんの教室覗いてみるよ。」
翼は軽く頷く。
「頼む。俺も、授業終わったら秀明に行くから」
そう言うと、翼は走ってカフェテリアを後にした。
翼からの話を聞く限り、杏奈ちゃんは何かあって、連絡も出来ない状態だってことだよね。
もしかして、誘拐とか！？
でも、そしたら事件になってるし、薫先生も言うだろう。
翼の嫌な予感が、当たらなきゃいいんだけどな。
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澪(プロフ) - ゆたんぽ。さん» えー！嬉しすぎます！ありがとうございます！ (2022年4月19日 17時) (
レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆたんぽ。(プロフ) - 初コメ失礼します。いや、面白すぎませんか？更新楽しみにしてます！ (2022年4月19日 15時) (レス) id: 00d669ff5e (このIDを非表示/違反報告)
@白猫雪(プロフ) - 澪さん» いえいえ！本編も、オリジナルも、楽しみにしてるのっ！ (2022年4月16日 20時) (レス) id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - @白猫雪さん» ありがとうございます！とっても嬉しいです！これからも頑張って更新するので、よろしくお願いします！ (2022年4月15日 23時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
@白猫雪(プロフ) - 更新楽しみ〜！KZのオリジナルめっちゃ好き！澪ちゃんも、更新頑張ってね！ (2022年4月15日 21時) (レス) @page50 id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年10月26日 22時
