第68話『大切な人のために』 ページ43
杏奈side
七鬼くんはギュッと目をつぶり、天井を仰いで大きな息をつく。
「サーバーを特定し、俺の管理下においた」
すごい！
「接続記録から見て、このマルウェアに感染しているパソコンは、全部で9万6000台。その全部を突きとめた。つまり、これらが土曜の正午、いっせいに秀明のメインコンピューターにDDoS攻撃を開始し、機能を停止させるんだ」
若武くんがニヤッと笑った。
「見えたな」
若武くんはみんなを見回す。
「今週末の全国統一学力測定テストは、その日のうちに成績を出し、カウンセリングを実施して学力を伸ばすっていうコンセプトだ。採点も集計も、全部コンピュータでやる。秀明のコンピュータが機能停止になったら、全国の塾の中で秀明だけ成績を出せないし、塾生のカウンセリングもできない。秀明は責任を問われるだろうし、信頼を失うだろう」
それが、男塚講師の復讐のやり方か。
机に突っ伏していた上杉くんが、ゆっくりと体を起こす。
「じゃ、次のステージ、いこっか。このプログラムを書き換えてマルウェアを無力化するんだ。そうすればDDoS攻撃は実行されないし、攻撃者も犯罪者にならずにすむ。プログラムに組み込まれている実行時間は、土曜日の正午だ。逆に考えれば、それまでマルウェアは絶対に動かないってことだぜ。俺たちには、たっぷり時間があるよ」
七鬼くんは、力を振り絞るようにして頷いた。
「オッケ、いこう！」
一瞬、視線を交わしてお互いの意志の強さを確認し、すぐさまそれぞれのディスプレイに目を戻す。
「どっからいく？」
「えっと、」
七鬼くんは、尊敬する人に罪を犯 させないために、上杉くんはそんな七鬼くんを支えて秀明を守るために、それぞれ頑張ろうとしている。
他のメンバーも、サポートできる位置に移動し、息を呑んで2人の作業を見つめている。
「くっそ！これでいいはずじゃん。なんで開かねぇんだよ」
「俺がやる。よこせっ！」
七鬼くんと上杉くんは、時に苛立ち、時に喧嘩し、時になだめ合って作業を進めた。
でもそれは、朝までに終わらなかったんだ。
学校があるので、みんなは作業を中止し、解散した。
七鬼くんだけが、そのまま続けていて、秀明が終わってから、また全員が合流した。
リードをとったのは、昨日と同様に七鬼くんと上杉くんで、私は、翼たちと一緒に自分の出番を待ちながら、プログラミング言語のテキストを広げて学習していた。
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？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
