第30話『ディープラーニング』 ページ5
杏奈side
「このところ日本政府や企業に対する海外からのサイバー攻撃が数を増してて、それに対応できるサイバーセキュリティ人材は、日本じゃ8万人以上も足りないんだ。経済産業省では、青少年の育成に力を入れてる。七鬼なんかも、政府のプロジェクトに呼び出されてるのかもしれないな」
若武くんが、急に身を乗り出す。
「アーヤ、そいつと親しいのか」
彩ちゃんは首を傾げた。
「親しいっていうか・・・家に行って、このパソコン貸してもらっただけ」
皆が一瞬、顔を見合わせる。
「それ、充分、親しいでしょ」
「ってか、親しすぎね?」
「普通、パソコン貸さないもんね」
黒木くんが、からかうような目で若武くんを見た。
「若武先生、今度は七鬼みたいだぜ。試練は続くな」
上杉くんがバカにしたように、うっすらと笑う。
「どうするよ。立花と七鬼の間に、壁でも立てるか?」
若武くんは大きく息を吸い込んだ。
「俺はKZのリーダーだ。KZのために、どんな犠牲も払う覚悟がある」
そう言いきって、悲壮な目を彩ちゃんに向ける。
「親しいんなら、KZのアプリ制作に力を貸してくれって頼めよ。お前が紹介してくれたら、話は俺がつけるからさ」
彩ちゃんは了解し、ノートパソコンの電源を入れた。
「このパソコンは、妖怪パソコンっていって自動で動くの。してほしいことを言葉で言うか、キーで入力すれば、何でも応えてくれるみたい」
上杉くんが立ち上がり、彩ちゃんのそばに来て横に立つと、指を伸ばして素早くキーを打った。
「自動で動くパソコンなんて、マジありえねーだろ。どんなソフト入れてあんのかな」
上杉くんはしばらくキーを打つと、また口を開いた。
「すげっ、ディープラーニング搭載だ。七鬼は、DLプログラミングできるのか」
美門くんも驚いたような顔になる。
「ほんとにできるの!?ディープラーニングを手がける人間って、世界中探しても、50人もいないって言われてるんだよ」
黒木くんが肩をすくめた。
「10歳でIT国家試験に受かったんだ。それから3年も経ってるんだから、DLをマスターしても不思議じゃないよ」
七鬼くんって、ほんとにすごい人なんだ。
118人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?かなかな - よろしくお願いします!澪さん!美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん!美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ?かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です!美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
?かなかな - 凄い!見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた!ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか?「みお」とかですかね?それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる? (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう!今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました!喜んでもらえて嬉しいです! (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん!最高、神レベルの最高!!!!!きゅんきゅんだよお!!最近いっぱい更新してくれてありがとう!!楽しみにしてますっ!!!!! (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澪 | 作成日時:2021年7月6日 22時