第58話『ファンタジー』 ページ33
杏奈side
「実際に出てくるのは、おそらくこんなデータだ。中国へ危険ドラッグの原料を注文するメール。その返信のメール。それから中国側が振込みを指定する銀行名と口座番号、金額。さらに、こちら側から品物の受け取り住所を知らせるメール。そして、これを買った人間のリスト。全部合わせて、犯罪を立証するのに充分！」
すごい！
「よかった！」
小塚くんが、肩の荷が下りたといったように大きな息をついた。
「今回は僕、全然、役に立てなくて、ごめんね」
皆が、ドンマイといったような笑みを浮かべる。
「七鬼、早く実行して、USBメモリにデータ移せよ」
若武くんは、ソワソワしていた。
「今からテレビ局に電話して待機してもらおう。どの局にしようかな。黒木、どう思う？」
黒木くんはちょっと考えてから答えた。
「本格報道がいいならTBS、エンタメ系なら日テレってとこだね。知り合いに聞いてみようか？」
黒木くん、テレビ局にもコネあるんだ。すごいな。
「おお、ぜひ頼む」
それで黒木くんが電話をかけにいっている間、若武くんはすごく嬉しそうだった。
「今度こそ、今度こそスポットライトが当たるぞ！」
心の底から嬉しそうにしている若武くんを見て、私は思わず頬が緩む。
「おまえのおかげだよ」
若武くんに言われて、七鬼くんは、ちょっと肩をすくめた。
「上杉の力の方が大きいよ」
そう言ってから、さりげなく付け加える。
「あ、県警の薬 物取締係にも、今、現場とのシミュレーションのデータ送っといた。すぐ捜査が始まると思うぜ」
その場が一気に凍りつく。
若武君は、手に持っていたUSBメモリをポロっと落とした。
その顔に、暗い雲のように絶望の色が広がる。
「え・・・どしたの？」
七鬼くんはびっくりした様子だった。
「ちゃんと匿名にしといたから、心配ないよ」
ああ・・・それがダメなんだよねぇ。
小塚くんが呟く。
「しかたないよ。七鬼は、若武の気持ちを知らないんだもの」
そうだね。
瞬間、若武くんが大声を上げた。
「なんてことしたんだ、バカ野郎！何もかもメチャクチャじゃないかっ！！」
七鬼くんは、わけがわからないといったように目をぱちぱちする。
その背中に、上杉くんが腕を回して抱き寄せた。
「別に何でもないから気にすんな。若武って、他人には理解できないファンタジーを持ってる奴なんだ」
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？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
