第54話『俺のミス』 ページ29
杏奈side
「きさまら、何のまねだ」
澄んだ目の中の紫の瞳には、恐ろしいほどの力がある。
めっちゃ怒ってる・・・。
七鬼くんは全員を睨みまわし、最後にその目を彩ちゃんに向けた。
「おまえに妖怪パソコンを貸したのは、俺んちに押し入らせるためじゃないぜ」
怒りでうっすらと赤く染まった目の縁に、長い睫毛の影が落ち、ゾクゾクするほど美しかった。
言葉を呑んでいる彩ちゃんと、その隣にいた私の二の腕を、若武くんが掴み、自分の背中の後ろに引き込む。
「アーヤ、神崎、俺の後ろで、おとなしくしてな」
その若武くんの隣に、上杉くんが立った。
「正確には、俺たちの後ろで、だ」
若武君は、ムッとしたように上杉くんを睨む。
「おまえなんか、いらん。引っ込んでろ」
「そのセリフ、そっくり返してやる」
2人が言い争っている間に、黒木くんと美門くんがスっと私たちの左右に寄ってきて取り囲んだ。
その囲いの中には、小塚くんも入っている。私も彩ちゃんも小塚くんも、とっさに動けないからだと思う。
私たちを庇う態勢が出来たのを確認してから、若武くんが七鬼くんの前に進み出て握手を求め、右手を出す。
「俺たちKZは、おまえの力を借りにきたんだ。俺たちと一緒に、日本を救わないか？」
七鬼くんは両手をジャケットのポケットに突っこみ、ふっと笑った。
「救わねーよ」
皮肉な感じのする笑みは、とても艶やかだった。
若武くんは、出していた右手の持って行き場を失い、その手を見つめて絶句した。
七鬼くんは冷笑する。
「さっさと帰りな。二度と来んなよ」
吐き捨てるようにそう言い、長い髪を空中に散らして身をひるがえした。
歩み去っていくその後ろ姿に、上杉くんが声をかける。
「お前の言葉を信じたのは、俺のミスだったよ」
七鬼くんはホールの端で足を止め、肩越しにこちらを振り返った。
鋭いその視線を受けて、上杉くんはちょっと肩をすくめる。
「悪かったと思ってるからさ、機嫌直せよ」
七鬼くんは、くっと笑い出した。
「別に、関係ねーし」
瞬間、上杉くんがツカツカと七鬼くんに歩み寄り、その背後の壁にドンと片手をついた。
「カッコつけんなよ、傷ついてるくせに」
七鬼くんは息を呑む。
「わかってんだよ、男塚にやられたんだろ」
七鬼君は目を見開くなり、自分のすぐそばにあった上杉くんの顔めがけて唾棄した。
「俺に構うな」
言い捨てて、自分の部屋に戻っていく。
私は、思わずその背中を追いかけた。
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？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
