第73話『友達』 ページ48
杏奈side
若武くんは、ものすごくショックを受けた様子だった。
「だけど、だけどさ、こういう犯罪が計画されていて、それを未然に防いだ中学生ってことだけでも、充分ニュース価値があるだろ」
その口調は、ほとんど必死だった。
「証拠もある。これまでの経緯は、全部コンピュータの中に残ってるんだ。それで俺たちの偉大さを証明できるじゃんよ」
七鬼くんが、あっと声を上げる。
「俺、それ消しちった、全部」
若武君が目をむいた。
「なんでっ！？」
七鬼くんは、困ったような笑みを浮かべる。
「もう終わったことだし、俺にとっては思い出したくないものだったからさ。さっき決別メールを送ると同時に、全て削除した」
上杉くんは、そらみろといったような顔になった。
「若武先生、あきらめるんだな」
翼も、しかたなさそうにみんなを見回す。
「事件も起こらず証拠もないんじゃ、どうしようもないね」
若武くんは、その場にしゃがみこみ、広げた両手をワナワナと震わせた。
「今度こそ、いけると思ったのに、またかっ！またなのかぁっ！！」
ドンマイとしか言いようがない。
「だから、前から言ってるだろ、」
黒木くんがなだめるように口を開いた。
「誰かの役に立てたってことだけで満足しろって。今回、KZは秀明を救ったんだ。そのリーダーであることを誇れよ」
若武くんは、プルプルと首を横に振る。
「何日も床で寝て、骸骨と一緒に食事作って、必死になってパソコン打って、それが全部、水の泡か！？俺たちの努力に何の意味があったんだっ！」
小塚くんが声を上げる。
「意味はあったよ。だって、そのおかげで、」
七鬼くんの方に視線を投げ、ちょっと恥ずかしそうに頬を染めた。
「新しい友達ができたもの」
七鬼君は、びっくりしたように小塚くんを見る。
小塚くんに続いて、彩ちゃんが言う。
「そうだよ。事件を解決しようと皆で一丸になったから、それで自然に心が通ったんだ。私たちは、もう友達だよ」
その瞬間、暗かった若武くんの目に、生き生きとした光が灯った。
「よし！」
そう言って七鬼くんに歩み寄る。
「友人のお前に、特別に、KZに入る許可を与えてもいい」
若武くん、アプリ制作に利用する気満々だよね。
「KZが、ガキの探偵ごっこじゃないってことは、よくわかったよ」
七鬼君はそう言い、目を伏せる。
「けど、俺、そんな時間ないから」
悲しげな表情だった。
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？かなかな - よろしくお願いします！澪さん！美門くんは誰がみてもかっこいい(笑)確かにかも😊外見だけじゃなくて、中身もいいもん！美門くんはまわりに気を配ったりもしてるからさらにね。なんか、あったことあるみたいになってる(笑) (2021年10月26日 19時) (
レス) id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - ？かなかなさん» 名前の読み方は「みお」です！美門はもう誰が見てもかっこいいので私もすごく好きです笑 (2021年10月24日 11時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
？かなかな - 凄い！見てみたら、お話増えていたし、澪さんから、お返事きてた！ちなみにこの『澪』って、どう読むんですか？「みお」とかですかね？それにしても、澪さんも美門君好きですかぁ〜。やっぱり人気な方ですね。美門君。私は、どっちかというと美門君の考え方に憧れてる？ (2021年10月24日 10時) (レス) @page41 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとう！今回は恋愛の絡みいっぱいにしてみました！喜んでもらえて嬉しいです！ (2021年10月23日 12時) (レス) id: 7aa13dcf7f (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 澪ちゃんんんんん！最高、神レベルの最高！！！！！きゅんきゅんだよお！！最近いっぱい更新してくれてありがとう！！楽しみにしてますっ！！！！！ (2021年10月23日 10時) (レス) @page41 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年7月6日 22時
