第45話『自白』 ページ1
杏奈side
「あなたたち、」
東条さんは座っている私と彩ちゃんに目を留めた。
「立たなくていいの？お仲間なんでしょ」
からかうようにそう言われ、私はなんだか居心地が悪くなった。
この状況を、私はどうすることも出来ない。
だから、彩ちゃんだけが頼りだ。
私の期待に応えるように、彩ちゃんはやがて口を開いた。
「東条渚さん、北原美麗って、東都大学教授の娘さんでしょ」
東条さんはビクッとする。
「あなたはWKを捜すために石代市から出てきて、北原美麗の名前を騙った。でも見つけられなかったから入塾し、USBに写した名簿を初めっから当たって、上杉くんを犯罪者と決めつけたんだよね」
東条さんは目を見開いて彩ちゃんを見つめる。
「上杉くんが秀明の石代支部で北原美麗と出会って、親しくしていたことは事実だと思う。そして二人の間には、何かがあった。それをあなたは、犯罪だと思ってるんだよね。でもその証拠、ないでしょ」
言葉を切り、彩ちゃんは東条さんの様子をうかがった。
「証拠、ないよね」
畳み掛けると、東条さんの顔に焦りと不安が広がった。
「だから上杉くんを追い込んで、白状させるしか方法がないんでしょ」
東条さんは逃げるように横を向く。
若武くんが驚きの声を上げた。
「あのさぁ、自白って、あんま法的効力ないんだぜ」
東条さんは若武くんに向き直り、いまいましげに言い放った。
「騙そうとしてもダメだからね」
若武くんは呆気に取られたみたいで、目をぱちぱちさせている。
「おまえ、いつの時代に生きてんだよ。本人の自白だけじゃ有罪にならないのが、現代の裁判。殺人だって、自分が殺したって言っただけじゃ認めてもらえないんだぜ。それ、常識だからな。知んなかったわけ？」
東条さんは、途方に暮れたような視線を空中に投げる。
なんだかその様子が可愛く、私はクスッと笑う。
彩ちゃんは東条さんに向かって言った。
「ねぇ、協力しない？」
東条さんの綺麗な唇から声がもれる。
「はっ！？」
「私達も今のところ、はっきりしたことはつかんでないの。だから調査中。ここは、力を合わせて真実にたどりつくのが1番いい事だと思うよ。どう？」
彩ちゃん、すごく頑張ってる。
上杉くんの無実を証明したいんだろうな。
「手を組もうよ」
彩ちゃんが強くそう言うと、東条さんは、心の奥底まで見とおそうとするような目で彩ちゃんを見た。
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じゃんけんぽんのあいこでしょ - (付け足し)今は黄金の雨は知っているまでしか持っていないけど、もう妖怪パソコンは知っているまで読みました。面白すぎます！！ (2021年12月11日 7時) (
レス) @page25 id: 332cd5a7b6 (このIDを非表示/違反報告)
じゃんけんぽんのあいこでしょ - 面白くて本を買っていないところまで読んでしまいます。オチ美門君がいいと思ってます！ (2021年12月11日 7時) (レス) @page17 id: 332cd5a7b6 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ - すごく面白いです!オチは翼がいいです (2021年7月10日 12時) (レス) id: 3464283e0f (このIDを非表示/違反報告)
Snow(プロフ) - いつも楽しみにしています！オチは翼がいいです (2021年6月25日 7時) (レス) id: 1bc28cf27b (このIDを非表示/違反報告)
美麗 - いつもありがとう！オチは、翼がいいです。 (2021年6月11日 23時) (レス) id: bde687998f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2021年3月17日 23時
