第30話『すご!』 ページ31
彩side
私たちは顔を見合わせた。
じゃあクォーターでもないし、ハーフでもないよね。
「それってなんて言えばいいの?」
私が聞くと、みんなはだまりこみ、やがて小塚くんが言った。
「つまり、すごくグローバルな血筋ってことで、どう?」
いいかも。
「じゃ皆、ここにバッグ置いて」
そう言いながら翼は、壁に作り付けになっている棚を指した。
そこには、積み重ねた大きな箱が二つと、若武や翼の秀明バッグが置かれていた。
翼は、その箱を片手で隅に移動させる。
空箱らしく、すっと動いた。
サイドには、金色の文字でm&mと書かれている。
きっとミント・ドレスやボディの入っていた箱だろうと私は思った。
その脇に、ドサドサと秀明バッグを置いて、私達が向き直ると、翼が言った。
「若武、説明してよ」
若武は、自分の出番となり、もったいぶった咳払いをする。
姿勢を正し、みんなを見回してから、おもむろに口を開いた。
「諸君の協力の申し出、および友情、さらには俺に寄せてくれている信頼に深く感謝する」
上杉くんが、早くもウエっといったような表情を見せる。
信頼なんか寄せてないからと言いたげなその顔を見て、私は小塚くんと目配せをし、こっそり笑った。
杏奈ちゃんはぽかんとしている。
「俺と美門で、ダンス大会の優勝を目指す。そのためには、最高のパフォーマンスが必要だ。ブレイク・ダンスの技はいろいろあるから、難易度の高いのを全部組み込む予定。頼みたいのは、音楽と衣装なんだ」
やっぱり。
「パートごとのパフォーマンスをこれから見せる。それに合う音楽と衣装を考えてくれ。ピアノで音をとれる小塚が音楽。黒木が補佐。審査員には女性もいるから、アーヤの感性で服をデザインして」
私が、デザインっ!?
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アーヤ(プロフ) - 住滝良さんのと、少し文が違って「ここ、本文あれだったよなw」って楽しいです! (5月11日 21時) (レス) @page47 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ(プロフ) - すごく面白いです!このまま、ストーリ続けてください。(あれ、完結してたっけ?)少しだけわがまま言うと、kzの皆は彩の親友(恋人?)ダァーッ! (5月11日 21時) (レス) @page37 id: d9605ef4e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 面白すぎです!私はアーヤと若武推しです! (2023年2月12日 10時) (レス) id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - まこさん» ありがとうございます!!黒木くんかっこいいですよね! (2020年10月30日 23時) (レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく面白いです! 私も黒木くん推しです! 更新待ってます! (2020年10月30日 17時) (レス) id: e335c0e9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2020年3月13日 20時