笑顔の仮面は知っている2【探偵チームKZ事件ノート】 (ページ47)

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第14話『真っ直ぐ見つめて』ページ47

杏奈side

上杉くんは照れているのを隠すように、眼鏡をクイッとあげる。

「神崎って、いつもまっすぐ目を見てストレートに自分の気持ち言うよな」

そうかな？

「やられてる方、結構困る」

なんだか私が恥ずかしくなって、俯いてしまう。

「ん。たしかに神崎はいつも目を見てはっきり話すよね」

「素直だし、恥ずかしいことも結構言うから」

小塚くんと美門くんがそう言い、みんながうんうんと頷く。

私、そんなふうに思われてたの！？

「あ、もちろんいい意味だよ。人の目を見て話すってすごく大事な事だし、それってなかなか出来ないことだから」

彩ちゃんに褒められ、私は照れたように笑う。

「私が小学生の時にね、お母さんに言われたんだ。人の目って、見てるだけで感情がわかるって言うでしょ？目を見たら、相手が何を言いたいのか、何を伝えたいのか、何を思っているのかがわかるって。だから、人と話す時はちゃんと目を見て話しなさいって。人の話を聞く時もそうしなさいって。」

黒木くんが優しい瞳で私を見る。

「素敵なお母さんだね」

うん。私のお母さん、とっても素敵な人なんだ。

美人で料理も上手。

ちょっと性格がきついって言われガチだけど、それでも優しくて素敵なお母さん。

「そういえば、上杉くんってあんまり目を合わせようとしないよね。私と目が合ったらすごくキョドったり、すぐ逸らしたりするの、どうして？」

上杉くんは少しムッとしたように口の端を下げ、私のことをじっと見つめる。

綺麗な瞳が私をとらえて、なんだか恥ずかしくて、私は目を逸らした。

「そっちだって逸らしただろ。なんで？」

「恥ずかしくて・・・」

「俺も、同じこと思う。あんまり見つめられると照れるだろ」

私はクスッと笑う。

「上杉くんって、意外と照れ屋さんだよね」

「うるせ」

私がくすくすと笑っていると、美門くんが私の隣に来て、ピトッと密着してきた。

え、なに。

私は美門くんに目を向ける。

美門くんは少し不機嫌そうに眉を下げていた。

「さっきから上杉のことばっか見てるの、なんかムカつく」

え・・・。